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當麻寺『聖衆来迎練供養会式』(葛城市)2025年も間近から拝見できました

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中将姫さまの御命日4月14日に毎年営まれる當麻寺(葛城市)『聖衆来迎練供養会式』(通称:練供養、お練り)。今年も間近で参拝させていただきました。菩薩さまたちが姫を西方浄土へお連れする、千年以上も続く壮大な宗教儀式です。動画とともにご紹介します!

 

 

千年以上続く當麻寺『聖衆来迎練供養会式』

「當麻曼荼羅」(国宝)を一夜にして織り上げたと伝わる「中将姫(ちゅうじょうひめ)」Wikipedia)ゆかりの古刹・當麻寺(たいまでら)

毎年4月14日の中将姫さまの御命日には、二十五菩薩さまたちがお迎えにあがり、中将姫が極楽往生を遂げるシーンを再現した宗教儀式『聖衆来迎練供養会式(しょうじゅらいごう ねりくようえしき)』(通称:練供養会式、お練り)が行われます。

こうした「練供養」の法要は、『往生要集』を著した天台僧・恵心僧都源信(えしんそうず げんしん)が、比叡山で始めたとか。ここ當麻の地は源信の生まれ故郷であり、この法要は1005年から千年以上もずっと続けられています。

當麻寺『聖衆来迎練供養会式』(葛城市)現地で拝見すると迫力がすごい!(2024-04-27)當麻寺(葛城市)で、中将姫のご命日である4月14日に毎年営まれている『聖衆来迎練供養会式』(通称:練供養、お練り)。今年も間近から拝見することができました。1005年から千年以上も続けられてきた荘厳な宗教儀式を動画をまじえてご紹介します!

 

當麻寺『聖衆来迎練供養会式』(葛城市)2023年は金堂前から拝見しました(2023-04-24)中将姫のご命日となる毎年4月14日に、古刹・當麻寺(葛城市)で営まれる『聖衆来迎練供養会式』。コロナ禍での一般参拝の中止、規模の縮小を経て、2023年は通常どおりの形に戻って開催されました。ご縁をいただいて初めて金堂前の素晴らしい席から拝見できて、復元新調された美しい衣装もじっくり見られました!念願が叶いました!

 

當麻寺の練供養会式は、私たちの “ほぼ地元開催の行事” ですので、ほぼ毎年参拝させていただいています。平日開催となった2025年は、週末と重なった2024年よりは人出は少な目でしたが、それでも広々とした境内はたくさんの参拝客で埋まりました。

2025年の模様を簡単にご紹介しておきます。

 

のどかで厳か。歴史ある宗教行事です

▲當麻寺「練供養会式」の当日(毎年4月14日)は、数年前から境内北側の「當麻健民運動場」グラウンドが臨時駐車場として開放されるようになりました(無料)。台数に限りがありますのでお車の方はお早めに。
▲境内に入ると、本堂・曼荼羅堂(この日だけ「極楽堂」と呼ばれます)から、境内の東端の「娑婆堂」まで、約120mの来迎橋がかかります。
ちなみに、練供養会式は16時からの開催です。この写真は14時40分時点のもの。まだのんびりしてます。
▲境内には屋台なども並びます。地元のお子さんたちが楽しそうに走り回っていました。

▲當麻寺といえば、東西2つの古の三重塔(国宝)がそろって残る、日本で唯一のお寺です。本堂なども法要の1時間前くらい(?)までは拝観できますし、ぜひ練供養会式の前にお参りしてください。

また、當麻寺の塔頭・護念院さんでは実際に使用される菩薩面を被る体験などもさせていただけます(※古い記事ですが詳細はこちら。レイアウトが崩れますがご容赦を)。

 

現地で参拝するからこそのライブ感!

▲来迎橋のかぶりつきからの眺め。全長120mもの長い橋を菩薩さまたちが渡られます。橋は高い位置にありますので、遠目からでもよく見えます。最前から拝見すると迫力がすごいですから、こちらもぜひ体感してみてください。
▲間近で拝見するとこの迫力です!法要は16時からですが、僧侶の皆さんが極楽堂へ入られたり(途中で散華も撒かれます)、中将姫像がいったん娑婆堂へ移動したりと、いろいろと動きがあります。
 

▲當麻寺「練供養会式」の模様を3分程度にまとめた短い動画も作成しました。あわせてご覧ください。

▲16時を過ぎて練供養会式が始まります。お稚児さんや雅楽隊に続いて、二十五菩薩さんたちが続きます。菩薩の面の視界はかなり狭いので、隣のお付きの方たちと一緒に歩かれます。

▲それに続くのが、蓮台を手にした観音菩薩(すくい仏)です。上下動しながらの激しく、そして優雅なムーブで少しずつ進みます。帰りにはこの蓮台に中将姫さまの像を乗せて、極楽堂へとお連れします。

 

最前で拝見すると迫力がすごいんです!美しい衣装などもはっきりと見られます。

 

▲続いて、両手を合掌して上下動しながら勢至菩薩(おがみ仏)が進みます。仮面を被りながら、先を行くすくい仏に動きを同調させるため、とても難しい役割です。

 

来迎橋の端にある小さな「娑婆堂」で、中将姫さまの像を蓮台に乗せます。このあたりの所作もとても美しいんです!

蓮台には中将姫さまのお姿が。

 

▲短い動画もご覧ください。

▲やや離れた位置からだとこういう光景になります。
菩薩さまの列は西方浄土へ。この日は薄曇りでしたが、西日がある日などはまさに極楽へ誘われるような雰囲気になります。
▲ずらりと菩薩さまたちが続きます。
▲境内の八重桜との一枚。
2025年はこの時間にちょうどにわか雨が降りそうな予報でしたが、練供養会式の間は雨は降らず、少したってから土砂降りになりました。良かった!

 

 

當麻寺

HP中之坊 奥院 西南院 護念院
住所奈良県葛城市當麻1263
宗派高野山真言宗・浄土宗
拝観料境内は無料
(伽藍:500円、中之坊:500円、奥院:500円、西南院:300円、護念院:300円)
拝観時間9:00~17:00
アクセス近鉄南大阪線「当麻寺駅」から徒歩約20分

※當麻寺『聖衆来迎練供養会式』は、毎年4月14日に開催されます。

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