
幸せがずっと続く12の行動習慣
「ポジティブ心理学」についての一冊。とても具体的で、幸せを実感したい方は必読!
いわゆる「ポジティブ心理学」についての一冊。某書評サイトで推薦されていたため購入してみましたが、確かに面白いですね。どうやったら幸せになれる(=感じられる)のか、その仕組を分かりやすく説いてくれます。
人が幸福になるためには、真っ先に金銭的・物質的な余裕が求められると考えがちです。お金があれば何でも好きなものを買えて、好きなものを食べられて、好きな場所へ行けて、ハッピーになりそうなものですが、筆者はそれらは決定的な要因にはなり得ないとしています。生活の状況を変えることで幸せになろうとしても、結局は上手くいかないと、研究結果に現れているのだとか。
本書では、人間の幸せを決定する要因として、「遺伝による設定値」が50%、「環境」によるものが10%、「意図的な行動」によるものが40%としています。
何をどのくらい幸せに感じるかは人それぞれで、持って生まれた多幸感などは変わることはありません。そして、もっとも重要なように思われる「環境」(新しい車を買った、整形手術をしたなど)ですが、幸福を感じさせてくれるのはほんの一瞬で、人間はすぐにそれに慣れてしまいます。その効果はごくわずかで、金持ちであろうと貧乏人であろうと、大きな違いはないと言います。
幸せを実感するために重要なのは「意図的な行動」。全体の40%ですが、ここを見直すのがもっとも効果的なのだそうです。
説明文:「幸せな人を観察して、研究して、科学的に証明した、「幸福度の高め方」。
全米で注目の心理学者が20年以上にわたって、研究の大半を捧げた「幸福を構成する3つの要因」をもとに、「最も幸福な人の考え方や行動パターン」を紹介します。
考え方の具体例は…
・かなりの時間を家族や友人とすごし、その人間関係を大切にして楽しんでいる
・誰に対しても感謝を表わすのが苦にならない
・同僚や通りすがりの人にまっ先に支援の手を差し伸べる場合が多い
・未来を考えるときは、いつも楽天的である
・人生の喜びを満喫し、現在を生きようとしている
・毎週、または毎日のように身体を動かすことを習慣としている
・生涯にわたる目標や夢に、全力を傾けている
などが挙げられます。」
本書で、幸せになるために重要な項目として挙げられているのは、以下のような内容です。
●感謝の気持ちを表わす ●楽観的になる ●考えすぎない、他人と比較しない ●親切にする ●人間関係を育てる ●ストレスや悩みへの対抗策を練る ●人を許す ●熱中できる活動を増やす ●人生の喜びを深く味わう ●目標達成に全力を尽くす ●内面的なものを大切にする ●身体を大切にする──瞑想と運動
正直なところ、それほど特別なことではありません。感謝の気持ちを表しながら人と関わり、熱中できる事柄を見つけて、心穏やかに過ごす。ひと昔前の、まだ宗教的な教えが大きな存在だった頃の日本人なら、誰もが自然とやっていたようなことばかりですが、これを意識することで幸せ感は増すのです。
例えば、何らかの目標達成に向かうにしても、その目標が「自分で選んだもの」であることが重要です。さらに、それが望ましくないものとの接近を避ける「回避目標」ではなく、望ましい結果を得ようとする「接近目標」であることが重要としています。こうした事例が、研究結果を踏まえて多数紹介されているため、とても具体的で分かりやすいですね。
個人的なことですが、私自身は他の人よりも幸せを多く実感しているタイプだと思っています。この本を読んでいても共感できる部分は多かったですし、だからこそ本書の内容は説得力のあるものだと感じられます。
とても具体的な考え方や行動指針が書いてありますので、幸せ不足(?)な方は一読してみるといいでしょう!