
『第65回 正倉院展』期間中の奈良のイベント・御開帳など
今年も、奈良国立博物館で『第65回 正倉院展』が始まりました。この時期に合わせて奈良県内ではたくさんのイベントや御開帳が行われます。そのすべてをご紹介することは出来ませんが、奈良駅や平城宮跡周辺のものを中心にいくつかご紹介しておきます。正倉院展と合わせてご参加ください!
混雑する『正倉院展』は遅めの入館がベターです
今年の秋も、奈良国立博物館で『第65回 正倉院展』が始まります(2013年10月26日(土)~11月11日(月)までの全17日間)。毎年たくさんの方が奈良を訪れる時期で、私たちもここ数年は楽しみに拝見しています。
今年の主役は、23年ぶり2度目の出陳となるハスの花をかたどった仏具「漆金薄絵盤(うるしきんぱくえのばん)」であり、この他にも、ヤコウガイとラピスラズリを使った「平螺鈿背円鏡」、左右対称に雄鹿を染め出した「鹿草木夾纈屏風」など、初出品16件を含む計66件が登場します。
毎年大変な混雑になるという印象が強いですが、夕方近い時間帯になると比較的空いてくるものです。出来るだけ遅めの時間を狙うのがベターです。
夕方から割安で販売される「オータムレイトチケット」は、閉館の1時間30分前より販売される当日券で、一般入館料1,000円のところ700円で入れます。通常の閉館時間は18時、土日祝は19時で、このチケットが利用できる時間帯は間違いなく空いていますので、できればこれに合わせるくらいがいいでしょう。
また、視聴者の多いテレビ番組「NHK 日曜美術館」で紹介されると視聴者さんたちが一気に押し寄せるため混雑度が増すと言われています。今年の放送は「11月3日(日)」ですので、その前に拝観しておくといいかもしれませんね。
正倉院展に合わせて開催されるイベントなど
そんな『正倉院展』の期間に合わせて、奈良県内各地で様々なイベントが開催されたり、社寺の特別御開帳が行われたりします。数が多すぎてとてもすべては把握できませんので、個人的に気になった一部のものだけご紹介していきま。
なお、『奈良県観光情報 大和路アーカイブ』のページにある「イベントカレンダー」の日付部分をクリックすると、該当日に行われているあらゆる行事が表示されます。「この日に何が観られるのか」が把握しやすくて、旅行者の方にはかなり便利だと思いますので、ぜひ検索してみてください。
「奈良駅周辺」のイベント
●あるくん奈良スタンプラリー(過去の紹介記事)
●開催期間: 2013年10月26日(土)~11月11日(月)
奈良駅周辺の店舗などが参加し、誰もが無料で楽しめる「スタンプ集め&ガチャガチャ」が組み合わさった楽しい企画です。今年の景品には、一部で熱狂的な人気を誇る「古墳クッション(小)」や、奈良好きな方必携の手帖「奈良旅手帖2014」なども登場し、さらにパワーアップしています!
●奈良きたまち|奈良・町家の芸術祭 HANARART 2013(はならぁと)
●開催期間: 2013年11月1日(金)~11月10日(日)
奈良県内各地の町家・町並みにアート作品を展示するイベント『奈良・町家の芸術祭 HANARART(はならぁと)2013』。奈良きたまちエリアでは「歴史と文化のモザイクに出会える町。」をテーマに様々な展示が行われます。気軽にアート作品と歴史ある町の雰囲気を楽しめます!
●奈良きたまちweek2013
●開催期間: 2013年11月2日・3日・4日
奈良きたまちエリアを中心として開催されるイベント。今年のテーマは「まち歩き・まち遊び」。きたまちの歴史を伝える展示などが行われます。
また、昨年と同様、この時期は「奈良女子大学」の重要文化財に指定された明治時代の建築物『奈良女子大学記念館(旧本館)』の一般公開が行われます。現在、NHKの朝の連続テレビ小説「ごちそうさん」のロケ地にもなっている場所ですので、ぜひこの機会に拝見してみてください!
●『奈良女子大学記念館(旧本館)』公開期間: 2013年10月29日~11月4日
●奈良女子大学学園祭『恋都祭』 開催期間: 2013年11月2日・3日・4日
平城宮跡では『天平祭・秋 2013』が
●平城京天平祭・秋 2013
●開催期間: 2013年11月2日(土)~11月10日(日)
奈良駅からはやや距離がありますが、平城宮跡では『平城京天平祭・秋 2013』が開催されます。今秋のテーマは「華が彩る秋の平城宮跡へ」。天平衣装でのパレードから、古代行事・衛士隊の再現、各種ステージなど内容は盛りだくさんです!
また、平城宮跡資料館では、秋の特別展「地下の正倉院展」という展示も行われています。平城宮跡の役所跡のごみ捨て穴から出土した膨大な木簡約1,800点から、3期に分けて展示しています。正倉院展とはまたタイプが違いますが、どちらも古代ロマンに浸れる企画だと思いますので、合わせてどうぞ!
●平城宮跡資料館秋期特別展「地下の正倉院展-木簡学ことはじめ-」
●開催期間: 2013年10月19日(土)~12月1日(日)
美術館系は「籔内佐斗司展 やまとぢから」など
●奈良県立美術館 特別展「籔内佐斗司展 やまとぢから」
●開催期間: 2013年10月19日(土)~12月15日(日)
正倉院展の会場となる『奈良国立博物館』。そこから比較的近い位置に「奈良県立美術館」があり、あのせんとくんの生みの親である籔内佐斗司さんの特別展「やまとぢから」を開催中です。お好きな方はどうぞ。
また、この時期の美術館系の展示では、この辺りに注目しています。
■春日大社 宝物殿【国宝甲冑修理記念特別公開 刀剣と甲冑 -春日大社の誇る名品を一堂に-】(2013年10月17日~2014年2月26日)
■元興寺 文化財研究所【元興寺秋季特別展「散華の美」】(2013年10月26日~11月10日)
■薬師寺 【東塔水煙 降臨展】(2013年9月16日~11月30日。紹介記事はこちら)
その他、奈良全体で社寺の秋の御開帳なども
また、社寺の特別公開は各地で行われていますが(『大和路アーカイブ』のイベントカレンダーから探してみてください)、この期間だけということであれば、
●新薬師寺の近くの『不空院』の秋の特別拝観(2013年10月26日~11月10日)で不空羂索観音像を拝見して、普段は事前予約が必要な「奈良のピラミッド」とも呼ばれる『頭塔(ずとう)』
の特別公開(2013年10月26日~11月11日)へ。
●奈良市内からは離れますが、斑鳩町の世界遺産寺院『法隆寺』では、夢殿のご本尊・観音菩薩立像(救世観音)の特別開扉(10月22日~11月22日)が行われるとともに、上御堂の釈迦三尊像(国宝)の特別開扉(11月1日~11月3日)、大宝蔵殿では「法隆寺秘宝展」と、見どころが多いです。
●奈良に育った民俗学者・万葉集の研究家・作家「折口信夫(釈迢空)」の没後60年を迎え、葛城市の『當麻寺中之坊』では「秋の寺宝展 折口信夫 没60年展」(2013年10月1日~11月30日)が、桜井市の『談山神社』では、秋の特別展「折口信夫博士没後60年記念特別展―釈迢空とその門人たち―」(2013年10月13日~12月8日)が開催されます。
●平城宮跡から近いエリアでは、『法華寺』の十一面観音立像(国宝)の御開帳(2013年10月25日~11月11日)、さらに『海龍王寺』の十一面観音立像(重文)の御開帳(2013年10月25日~11月10日)などがあります。どちらも美仏の宝庫である奈良の中でもトップクラスの美しさの仏さまですから、この機会にぜひお詣りください。