毎週10時間以上もランニングをしている私。その時間を有効活用するには音楽やradikoもいいんですが、やはり「耳読書」が一番です。いろんな方法を試した結果、
・Kindleの電子書籍をAlexaで読み上げる
・オーディオブック『Audible』を使う
この2つの方法を併用することでとても快適になりました。使い方などをご紹介します。
「ジョギング中に何を聴くか?」問題
2024年に入ってから、秋に故郷・新潟県で開催される「えちご・くびき野 100kmマラソン」(10月13日開催)に向けての練習に励んでいます。
ジョギングはもう十年以上も続けていて、これまでも年間に1,000kmを超える距離を走ってきました。しかし、100kmマラソン対策ともなるとそれどころではなくて、夏場の走り込み時期にはほぼ毎週100km以上(!)を走るなど、かなりしっかりと練習しています。
走ること自体はとても楽しいのですが、走る距離が長くなるということは、つまり「走る時間も長くなる」ということ。「ジョグ中の退屈な時間をどうやって埋めようか?」というのはすべてのランナーの悩みといえるでしょう。
大まかにいえば、私の場合は「1km=1時間前後」ですから、現在は毎週10時間以上もの時間を走っていることになります。まだ週に2~3時間くらいであれば音楽でも聴いていればいいんですが、さすがに10時間ともなると、それだけではもったいない。何かしら役に立つことをしないと…と、罪悪感すら芽生えていました。
いろいろと試してみたんですが、やはり最も有益だったのは「耳読書」でした。2024年の夏現在、メインで以下の2つの手法を使っています。
- (一時離脱していた)Audibleを使う方法
- Kindleの電子書籍を読み上げる方法
その他の方法とともにまとめてご紹介します。
※私は iPhone ユーザーですので、ここからすべて iOS でのお話になります。ご容赦を。
走りながらやってきたこと(音楽・ラジオ・暗記)
サブスクで音楽を聞く
まだ週の走行時間が2~3時間のころは、主に音楽を聴いていました。私はサブスク「YouTube Music」を利用していて、とくに大きな不満もありません。自然とテンションも上がりますし、曲を選べばジョギングにもいいリズムが生まれます。
「radiko」でラジオ放送を聴く
週の走行距離が5~6時間となると、さすがに音楽だけではマンネリ化してきます。ネットやスマホで聴けるラジオ配信サービス「radiko」を利用することが増えました。放送終了後の番組も1週間はタイムフリーで聴けますので、オールナイトニッポンなどの深夜放送を中心に楽しんでいます。
今でも毎週必ず聴いているのが、TBSラジオ「伊集院光 深夜の馬鹿力」。それ以外にはニッポン放送「オールナイトニッポン」のオードリーさん、マヂカルラブリーさん、TBSラジオのアルコ&ピースさん、ハライチさん、空気階段さんなどなど。結構なラジオっ子でしたね 笑
資格試験などの暗記を行う
資格試験(電気工事士 2級)の勉強のためにも活用していました。まずは自宅で普通に学習し、記憶したいポイントをスマホにメモしておきます(ノートやテキストを撮影しても可)。走りながらこの内容を覚えるまで暗唱し、途中で立ち止まってメモを見返すことを繰り返します。
コツは「きつくないペースで、いつもの慣れたコースを走ること」。有酸素運動中は記憶の定着の絶好のチャンスですから、お散歩中などでもぜひお試しあれ。
「耳読書」もいろいろと試してきました
ランニング時間が徐々に増えるのにあわせて「耳読書」の比率を増やしていきました。目で読む読書とはまた違った読書体験で、長距離走の退屈がかなり解消されました。
【失敗】iPhone「読み上げコンテンツ」機能
私は基本的に、電子書籍は Kindleアプリで読んでいます。普段からスマホやタブレットでの読書もしていますから、これまでに購入した本も何冊もありましたし、読み上げたいコンテンツは多数ありました。
その読み上げにまず試したのが iPhone の「読み上げコンテンツ」機能でした。「設定 → 読み上げコンテンツ → 読み上げコントローラーをオン」この手順でコントローラーを表示すれば画面内のテキストを読み上げてくれます。
こちらは主に視覚障害をお持ちの方向けの機能だと思いますが、電子書籍を読み上げるにはかなりの役立たずでした。
■イマイチなところ
- バックグラウンドでは動作しないので、読み上げのためには常に画面を表示させておく必要がある。
- なぜか運動中(=スマホ本体が動きを感知している状態)でないと次のページへ進んでくれない。
- 日常的な漢字でも誤読を頻発。大丈夫を「おおだけおっと」と読むくらい漢字に弱い。
あれこれ工夫しながらしばらく利用していましたが、すぐに読み込みが停止してしまったり、とにかく面倒くさかったです。
【成功】アプリ「Amazon Alexa」を使用
Kindle本の読み上げが格段に快適になったのが、アプリ「Amazon Alexa」を使用してからでした。
アプリ「Amazon Alexa」を立ち上げて、「その他 → 設定 → ユーザー補助 → Kindle読書補助機能をオンに」。ホームの「ミュージックハブ」からKindle本を選びます。(公式解説)
■良いところ
- 自動でページ送りもしてくれる。当たり前だけど嬉しい。
- 読み上げの速度は2.0倍まで速く出来る。
- 読み上げ精度はまぁまぁ。読み間違いもあるけど合格レベル。
■イマイチなところ
- 30秒ずつの早送り・巻き戻しはあるが、それ以上細かい操作はできない。
- 読み上げ速度は調節可能だけど、画面右下の青い円をタップして、「Alexa、読み上げを速くして」などと音声で指示する必要がある。ちょっと面倒くさい。
- しおり機能などが使えない。
- 同じところを2度読んだり、時々おかしな挙動がある。
●iOSユーザーの方はこちら(Amazon Alexa)
●Androidユーザーの方はこちら(Amazon Alexa)
Kindleでは「青空文庫」の一部も利用可
また、Kindleでは、無料で過去の名作が読める「青空文庫」の一部も利用できます。
※Amazon.co.jp: 青空文庫: Kindleストア
夏目漱石や太宰治、芥川龍之介、宮沢賢治、江戸川乱歩など、名作たちが無料で読めます。青空文庫のすべての作品が利用できるわけではありませんが、有名どころはそろっています。
文豪たちの名作を今さら読むとなるとちょっと面倒な気もするものですが、耳で聴くのであれば(しかも無料なら)ハードルは低いかもしれません。
定額サブスク「Kindle Unlimited」も便利
さらに、Kindle には200万冊(!)以上が読み放題になる「Kindle Unlimited」というサービスもあります。
会員登録は、最初の30日間は無料、その後は「1ヶ月間:980円」もしくは「6ヶ月:3,980円」です。
私は今は一時的に退会していますが、ずっと会員でした。正直なところ、200万冊であろうが、すごく読みたい本はその中に含まれていないことも多いので、「好きな本が何でも読める」というほどの自由度はありません。
しかし、毎月本1冊分くらいの金額で大量の本に手が届くのですからメリットも大きいです。マンガや雑誌なども多数ありますし、音声読み上げできる本もたくさん見つかります。検討する価値はあると思います。
【大成功】オーディオブック「Audible」が最強
そして、最近では(一時離脱していた)Amazonのオーディオブック『Audible(オーディブル)』を主に使用しています。
Audibleの基本サービスは「会員になれば12万以上の対象作品が聴き放題」というもの。会員登録は、最初の30日間は無料、その後は「1ヶ月間:1,500円」です。
■良いところ
- 基本的に人間(しかもプロや俳優さんなど)がナレーションしているので聴きやすい。誤読もない。
- 読み上げ速度が選べる(遅めの0.5倍~最速3.5倍まで)。私はほぼ2倍速で聴いています。
- 音声に特化しているだけあって、操作や動作のストレスはゼロ。他の代替手段と比べてはるかに快適。
- 一度ダウンロードしてしまえばオフライン再生も可能。
- 再生場所の頭出しが可能。章の冒頭へスキップできる。
■イマイチなところ
- 12万以上のコンテンツが聴き放題とはいえ、やはり読みたい本があるとは限らない。
●iOSユーザーの方はこちら(Audible)
●Androidユーザーの方はこちら(Audible)
実は数年前にもAudibleに登録していた時期があったのですが、そのときは聴きたい作品は多くなく、それもほぼ聴き尽くしてしまったため、しばらく使ってから解約しました。
しかし、あらためて探してみると、私が Kindle で購入しているような本の多くがすでに Audible で聴けるようになっていました。
私が「スマホより圧倒的にパソコン派」だからかもしれませんが、Audibleのスマホアプリ内での検索よりも、パソコンを使って「Audibleストア」を検索した方が圧倒的に探しやすいです。探してみると少し前の話題作なども結構見つかります。
Audibleの聴き放題は話題作も多数
12万以上のコンテンツがあるというAudible(※2024年9月現在)。聴き放題対象タイトルには話題作も数多く含まれます。例を挙げていくと、
Audibleで聴き放題の「小説」
東野圭吾さん『誰かが私を殺した』、宮島未奈さん『成瀬は天下を取りにいく』、青木裕子さん『これは経費で落ちません』、万城目学さん『鹿男あをによし』、池井戸潤さん『俺たちの箱根駅伝』など。
私自身は最近ではほとんど小説は読まなくなりましたし、頭のどこかで「物語は紙で読みたい」と思っていました。しかし、試しに宇佐見りんさん『推し、燃ゆ』を聴いてみたら、(内容はヘビーでしたが)意外なほどするっと染み込んできて、こういう読書体験もありだなと思いました。
また、「とても読みたいけど手強そう」という印象のある、超傑作SFと評判の劉慈欣さん『三体』などもラインナップにありますので、こちらもじっくりと聴いてみたいですね。通常速度だと聴き終えるまでに17時間31分(!)もかかるそうですが 笑
Audibleで聴き放題の「ビジネス書」
私はビジネス系の本もよく読むので、興味のあるものはKindleで購入し、電子書籍として読むのはもちろん、ジョギングの最中にそれを読み上げて聴いたりもしていました。
以下のタイトルなどはKindleで購入済みでしたが、Audibleでも聴き放題の対象となっていて、ちょっと悔しかったものの一部です 笑
- ビル・パーキンスさん『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』
- ニック・マジューリさん『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』
- 厚切りジェイソンさん『ジェイソン流お金の増やし方』
- 森博嗣さん『集中力はいらない』
- 柿内尚文さん『このプリン、いま食べるか? ガマンするか? 一生役立つ時間の法則』
- 吉武麻子さん『目標や夢が達成できる 1年・1カ月・1週間・1日の時間術』
その他、Audibleで聴き放題のあれこれ
個人的に嬉しいのは「落語」のカテゴリが充実していること(カテゴリ「コメディー・落語」)。立川談志師匠や五代目・三遊亭円楽師匠、桂歌丸師匠などの名演がいつでも聴けます。私のような浅い落語ファンにとっては、ちょっとした気分転換に聴けるのでありがたいです。
また、ポッドキャストの番組では、松本人志さんらの『放送室チャンネル』、オードリー若林さん(とサトミツさん)の『佐藤と若林の3600』などのかつての放送回が聴けるのも嬉しいところ。ファンとしては当分楽しめそうです。
「聴く」読書は「読む」読書とは別の体験
Audibleを再び使うようになってからというもの、まずはAudible内で興味のある本を探して、良かったら本を購入する(または図書館で借りる)という流れになりました。
また、私は良い内容の本は何度か繰り返し読みたいタイプなんですが、読むだけではなく「聴く」体験を加えるとより頭に残るような気がしています。超集中して聴くのはもちろん、ちょっとした時間に聴き流すようなことができるのもメリットですね。
「朗読はあまり聴いたことがない」という方も多いと思いますが、また違った読書体験になりますし、活字が苦手な方、老眼などで読みづらくなった方にもお勧めです。
「ジョギング中がヒマ」問題には耳読書を!
個人的にはAudibleのサービスには大満足しています。
現在の私は「週10時間以上、ほぼ2倍速で使用」という超ヘビーリスナーで、毎週4冊くらいずつ読了するハイペースを続けています。目ぼしい作品を聴きつくしたら、新しいジャンルに手を広げるか、そうでなければまた一時的に退会することも考えています。
私ほど極端ではなくても、通勤中や運転中、運動しながら、お料理しながら、寝る前やお風呂に入りながらなど、音声コンテンツを楽しめる場面は多いものです。
通勤に片道1時間かかる人であれば、週トータルで10時間くらいでしょう。ついついSNSや動画など眺めたりしがちですが、ぜひその一部を耳読書にあててみてください。読書が苦手な方であっても気軽に楽しめるでしょう。
また、とくに「ジョギング中がヒマ過ぎて心が折れる」という方には本当にお勧めですね。「あの本の続きが気になるから走りに行こう」と、ジョギングやウォーキングを続けるモチベーションにすらなってくれます。
ジョギング中のお供としては、個人的には村上春樹さんの『走ることについて語るときに僕の語ること』(ナレーションは大沢たかおさん)がお勧めです。市民ランナーの大先輩である村上さんが「走ること」について語ったエッセイです。これだけの方であってもいろいろと悩みながら走り続けているという事実に、私のような凡人は救われるような気すらします。これまでにも何度も読んで、何度も聴いた一冊です。ぜひ!
※Audibleの会員登録は、最初の30日間は無料、その後は「1ヶ月間:1,500円」です。
●Amazonのオーディオブック『Audible(オーディブル)』