2001年ごろに放送されていた『百萬男』という番組をご存知ですか。急に見知らぬ男から「100万円を使ってみませんか?」と声をかけられ、実際に使い切る様子を撮影したドキュメントです。「いま百萬男が現れたらどうするだろう?」今でも時々そんなことを考えます。
かつて放送されていたTV番組『百萬男』とは
以前に放送されていたテレビ番組のことを、何年経ってもふと思い出しては考えてしまう。そんな経験はありませんか?
私にとってのそれは、2001年ごろに放送されていた『百萬男』です。いまだに「その場面に出くわしたら自分だったらどうしていただろう?」と考えることがあります。
街行く人々の中から無作為に選んだ1人に突然100万円を手渡し、5時間という制限時間内にすべて使い切ってもらう。ただし、金を使えるのは本人のみ、貯金や借金返済、ギャンブルに使うのはNG、もし使い切れなければ全額返済するというルールのもとで・・・。
※私の記憶では「人へのギフト用はOK」「事前に支払える場合のみ購入予約はOK」というようなルールだったはず。
※楽天市場のオープンが1997年のこと。2000年ごろはまだネットショッピングは黎明期で、番組では実店舗での購入のみでした。
※もちろんヤフオクもメルカリも登場前です。ネット転売などは現実的ではなかった時代です。
パターンは毎回様々ですが、道端などを歩いていた一般人が急に見知らぬ男(タキシード姿の小説家・筒井康隆さん)に「100万円を使ってみませんか?」と声をかけられ、こうしたルールが説明されます。
いかにも怪しげなオファーで、最初は誰もが戸惑います。番組の放送は短期間でしたし、「あ、観たことある!」となるほどの知名度はありません。カメラも遠くからこっそり撮影しているため、最初はテレビ番組だとも気づかなかったはずです。
そんな状況で、急に喪黒福造(@笑ゥせぇるすまん)のような風体の怪しい老紳士にこんな声をかけられるのですから怖いですよね。当然ですが、断る人も少なくなかったと思います。
しかし、申し出を受けた人には撮影であることが明かされ、実際に100万円が渡されます。そして制限時間の5時間以内にこれを使い切るために奔走することになります。
2000年当時の日本は不景気の真っ只中。100万円はもちろん大金です。参加者はまずは家電量販店へ行ったりするのですが、意外と100万円を使い切るのは簡単ではありません。
記憶にある限りでは、「80万円ほどの高額なロードバイクを購入し、残りはパーツを」という方がいらっしゃいましたが、ほとんどの出演者は時間ギリギリまで悩みまくっていた記憶があります。
また、お金に対する向き合い方も人それぞれでした。ニコニコしながら買い物を続けてハッピーな気分のまま終わる人もいれば、そんな降って湧いた大金を使うことが怖くなって途中で辞退してしまう人もいました。どちらの気持ちも分かるような気がします。
100万円をどう使う?それは必要か、不要か?
「いま百萬男が現れたらどうするだろう?」
そんなことを時々考えます。
突然のオファーを受ける余裕があるか?
受けたとしてどんなものにお金を使うか?
よく「宝くじが当たったらどうしよう?」と想像する方はいらっしゃいますが、あまりにも金額が大きすぎてリアリティが無い感もあります。それを100万円というまだ比較的現実味のある金額で考えてみることによって、今の自分が本当に欲しているものが見えてくるような気がします。
そのお金は働いて稼いだものではなく、幸運にも手にした “究極のあぶく銭” です。貯金などはできないルールですから、無駄遣いしたって構わないのです。
自宅を見回せば、必要な家電や家具はひと通り揃っています。買い替えてもいいのですが、その優先度はどのくらいなのか?
新たに欲しいものはないのかと考えてみても、ゲーム機や自転車、本やフィギュアなど、思い浮かぶものはいくつかあったとしても、制限時間内で100万円分購入するのは難しそうな気もします。
現代であれば、Amazonの「ほしいものリスト」に入っているあれやこれやを片っ端からカートに入れていけばそれなりの金額になるかもしれませんが、渡しの場合はそれを合計しても100万円分には届かないと思います。
そんなことを真剣に考えていくと、「欲しいものはいろいろあるけど、必要なものなんてもう無いんじゃないか?」なんてところまで行き着きます。
世の中は「決して必要ではないけど、あってもいいモノ」で溢れています。そういうモノたちを入手していく喜びは確かにあるでしょうし、ある程度の地位に達した人たちによってはそれが労働意欲に繋がっているのかもしれません。
私のような枯れかけた庶民的中高年ともなると、物欲というもの自体が激減しています。私は決してミニマリストではありませんが、単純に「モノが増えること=幸せ」とはもう思えなくなりました。
しかし、それでも欲しいものリストにはたくさんのモノが入っています。たとえ自分が選んだリストであったとしても、それが100万円分も手に入ることを素直に喜べるかどうか自信はありません。これが20代の頃だったら大喜びしていたと思いますから、ちょっと寂しい気すらしますが 笑
突然100万円もらったら何に使いますか?
「突然100万円もらったら何に使おうか?」
考えるたびに答えは違ってくるはずです。ぜひ一度妄想してみてください!