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淡路島「国生み神話」ゆかりの地めぐり – 伊弉諾神宮・おのころ島神社など

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淡路島への旅行では、『古事記』国生み神話に関連するスポットもめぐってきました。淡路島よりも先に生まれた「おのころ島」の伝承地である『おのころ島神社』沼島・絵島伊弉諾尊・伊弉冉尊の夫婦神を祀る『伊弉諾神宮』、「天の浮橋」と「葦原の国」伝承地など。まとめてご紹介します。

淡路島は『古事記』国生み神話の地です

2024年6月、夫婦で2泊3日の「淡路島」旅行へ行ってきました。

大好きな淡路玉ねぎやタコを食べるという目的以外にも、『古事記』冒頭に描かれた「国生み神話」での淡路島の “日本発祥の地”っぷりを体験してみたかったというのも大きな理由でした。

伊弉諾尊・伊弉冉尊の二柱の神様が生まれたばかりの混沌とした大地を天沼矛で「塩コオロコオロ」とかき回すと、矛先から滴り落ちた塩の雫が固まって「おのころ島」ができたと記されています。

おのころ島で夫婦となった伊弉諾尊・伊弉冉尊は、日本列島の島を次々と生んでいきます。その中で最初に生まれた島が淡路島です。

「淡路島日本遺産」より

時間の制約もあってすべては観て回れませんでしたが、しっかりと神話ムードは味わえました!

●【参考記事】古事記とオノコロ島伝説をめぐる | 兵庫県立歴史博物館

●淡路島の観光スポットについては「淡路島観光ガイド」さんが使いやすいのでぜひご参照ください。

国生み神話の夫婦神を祀る『伊弉諾神宮』

▲淡路市多賀に鎮座する『伊弉諾神宮』Wikipedia)は、国生み神話に登場する伊弉諾尊(イザナギ)と伊弉冉尊(イザナミ)ご夫婦をお祀りする神社です。

国産み・神産みを終えた伊弉諾尊は、淡路島多賀に鎮まったとされ、この神社の起源とされています。まさに日本という国の誕生に関わるお社です。延喜式名神大社であり、淡路国一宮として崇敬されてきました。
▲この日は平日の夕方ということで人も少なくのんびりとしていましたが、海外からの参拝客などもちらほらと。凛とした清らかな空気が感じられました。
▲いただいた御朱印がこちら。
境内にある「夫婦クス」。二本のクスの木が寄り添うように伸び、樹齢約900年だとか。夫婦円満でご長寿という、伊弉諾神宮にふさわしい木ですね。
▲伊弉諾神宮の絵馬は、桃をモチーフにした「神桃絵馬」です。古くから桃には神聖な力があるとされており、伊弉諾尊尊が黄泉の国から逃げ帰った際にも桃の力を借りたというお話がありましたね。

伊弉諾神宮

HP【公式】伊弉諾神宮
【関連】伊弉諾神宮 – Wikipedia
住所兵庫県淡路市多賀740
電話0799-80-5001
駐車場無料駐車場あり

日本の国土の発祥の地!? 『おのころ島神社』

▲南あわじ市に鎮座する『おのころ島神社(自凝島神社)』Wikipedia)も、伊弉諾尊と伊弉冉尊のご夫婦を祭神とする古社です。縁結び・安産などの御利益があるとされ、この日も観光バスなどが立ち寄り、立派な鳥居の前で記念撮影などされていました。
▲おのころ島神社の境内はそれほど広くありませんが、神さびた雰囲気があります。
▲こちらは拝殿です。

国生み神話では、伊弉諾尊と伊弉冉尊の二柱が国を作る際に、天の浮橋に立ち、天の沼矛で海原をかき混ぜ、その矛(ほこ)からしたたった滴が “おのずと凝り固まって島となった” ものが自凝島(おのころ島)とあります。

おのころ島神社が鎮座する丘が、その「おのころ島」であると伝わっており(※もちろん諸説あり)、まさに日本国土の発祥の地であるともいえる場所なのです。
▲おのころ島神社の縁結び祈願の絵馬。天の沼矛で外界をかき混ぜているシーンがいいですね!

おのころ島神社(自凝島神社)

HP【公式】おのころ島神社
【関連】自凝島神社 – Wikipedia
住所兵庫県南あわじ市榎列下幡多415
電話0799-42-5320
駐車場無料駐車場あり

「天の浮橋」と「葦原の国」伝承地も

おのころ島神社からすぐ近くには、同じく神話に登場する「天の浮橋」と「葦原国」の伝承地があります。

▲こちらは「天の浮橋」伝承地です。おのころ島神社から西へ約400メートルの距離にあり、民家の間に小さな鳥居と石碑が見えます。

天の浮橋とは、伊弉諾尊と伊弉冉尊の二柱がここに立って、天の沼矛を使って海原をかき混ぜたとされる場所。一番最初の土地がおのころ島ですから、地面ですらありません。広さの概念も難しいですが、正直なところ「イメージよりかなり狭いな」とは思いました 笑
▲石碑の後ろの囲いには、こんな石(と笹+お賽銭箱)が。浮橋の台座的なものかしら?(※調べたら笹の下にもうちょっと大きな石があるらしいです)
▲また、そこからも近い、おのころ島神社から西へ約800メートルの位置には「葦原国」伝承地の碑があります。

「葦原の国」とは、伊弉諾・伊弉冉の夫婦神が作られた日本国土の全体を指す言葉で、葦が繁る五穀豊穣の地とされました。このエリアがそれに当たるとされています。
▲ちょっと離れて見たところ。
「葦原国」の碑は、広々とした畑のど真ん中に位置します。のどかで雄大で、背後に農作業中のトラクターなども見えましたが、肥沃な葦原の国にふさわしい場所だと思えました。

天の浮橋&葦原国

HP【関連】天の浮橋 | 淡路島観光ガイド
【関連】葦原国 | 淡路島観光ガイド
住所兵庫県南あわじ市榎列大榎列
駐車場なし

おのころ島の候補地「沼島」と「絵島」

淡路島の「おのころ島」候補地は他にもいくつかあり、有名なのは淡路島の南に浮かぶ「沼島(ぬしま)」(南あわじ市沼島)です。島内には「自凝神社」も鎮座しており、高さ約30mの尖った岩・上立神岩は、伊弉諾・伊弉冉の夫婦神がおのころ島に降り立って、柱の周囲をまわって婚姻したという「天の御柱」とも伝わっています。

写真はやや離れた地点から沼島を見たところ。有人の島で歩いて約3~4時間で1周できるサイズだとか。
沼島には、連絡船に10分ちょっと揺られると到着するそうです。残念ながらこの日はもう遅くて島に渡ることはできませんでした。島内の様子などはこちらが詳しいのでご覧ください(参考サイト:淡路島の1度は行ってみたい伝説の島 沼島を巡る│淡路島西海岸
▲また、沼島とは逆、淡路島の北端にあたる「絵島(えしま)」(淡路市岩屋)も、「おのころ島」候補地の一つとされます。

奇岩のある景勝地で、「千鳥なく 絵島の浦に すむ月を 波にうつして 見るこよいかな」西行(山家集)などのといった歌にも詠まれています。
▲絵島からは明石海峡大橋が遠くに見えます。対岸の大都市とそれを結ぶ近代的な橋。そんなものとおのころ島(かもしれない)奇岩を同時に眺められるのが面白いですね。

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