
「うましうるわし奈良」の10年
美麗な写真、心を揺さぶるキャッチコピー。あらためて奈良って素晴らしい!
JR東海が展開している「うましうるわし奈良」キャンペーン。始まってから10年たったことを記念して、これまでのポスターやキャッチコピーなどを収録した一冊。
奈良の一番美しいところを、一流のプロが切り取った写真が美しいのはもちろん、そこに添えられるキャッチコピーが絶妙です。インパクトのあるものから、心にじわっと染みてくるようなものまで、ページをめくるたびにため息がもれました。
説明文:「JR東海の「うましうるわし奈良」のキャンペーンが始まってから、2016年で10年。首都圏を中心にテレビCMが放映され、駅では四季折々のポスターを目にした人も多いかと思います。 10年という節目を機に、これまでのポスターから写真とコピーを抜粋し、1冊にまとめました。美しい仏像と風景が、奈良へと誘います。 そして、イラストレーターの田中ひろみさんには仏像の面白さを、文筆家の甲斐みのりさんには奈良をご案内いただきます。たまにはふらりと奈良に行ってみようか─そんな気持ちになる1冊です。」
「うましうるわし奈良」のキャンペーンは、基本的に首都圏などで展開されているため、地元の奈良ではあまり目にする機会はありません。ネットなどで自ら情報を探しに行かないとその存在に気づかないのです。地元民ほどこんな素晴らしい広報がされていることを意識していないでしょう。
この本のページをめくっていくと、どれだけ奈良という土地が美しいのか、他の土地の者を惹きつける魅力があるのか、その一部だけでも理解できるかもしれません。
写真も素晴らしいですが、私のようなテキスト屋が見ても、キャッチコピーが素晴らしいです。感涙ものです!
●「日本にしかなく、奈良にしかなく」(飛火野の鹿たち)
●「天平という美しい時代があった」(新薬師寺・伐折羅大将像)
●「父、康慶。慶派、その始まりの大仏師。」(興福寺南円堂・不空羂索観音)
●「子、運慶。慶派、その頂きの天才仏師。」(興福寺北円堂・弥勒如来)
●「ひとりの旅が日本を変えた。」(唐招提寺・鑑真和上坐像)
●「美しいひとが奈良にいる。」(中宮寺・如意輪観音(菩薩半跏像))
●「日の光、月の光、白鳳の光。」(薬師寺・薬師三尊像)
●「絵と申す人。本尊と申す人。浄土と申す人。」(當麻寺・當麻曼荼羅)
●「人は山に神を想う。山は人に神を結ぶ。」(大神神社・三輪山)
その中でも、個人的に一番好きなのはこちらです。
●「見ているのは、史跡ではなく、千三百年の物語。」(平城京・西大寺)
(咲く花の匂うがごとしと称えられた、平城京。けれど西大寺は知っている。この都には、夢と夢が争う戦いがあり、平和を望む愛や祈りが繰り返されたことを。千三百年の歴史が織りなす物語、人々が紡いだ物語を訪ねて。)
巻頭には奈良出身の歌手・堂本剛さんの文章が寄せられていますが、これもとっても素敵でした。あらためて奈良愛を刺激されますね。奈良好きな方はぜひ手にとってみてください!