2012-12-14

芸術新潮 2012年 11月号 [雑誌]

大特集は「縄文の歩き方」。縄文の美と生活について総合的に理解できる内容です

大特集は「縄文の歩き方」。芸術新潮では25年ぶりの縄文特集になるそうです。ちょうど滋賀県甲賀市の「MIHO MUSEUM」で開催されていた秋季特別展 「土偶・コスモス」(2012年12月9日まで)と連動していて、読み応えのある内容でした。終わってしまった展覧会の後追いのようになってしまいますが、土偶コスモス展を見ている方はもちろん、見そびれた方でも充分に楽しめる内容でしょう。

「縄文」と言われてもピンと来ない方が大多数だと思いますが、人間の姿をプリミティブに象った土偶たちや、装飾過剰としか思えない火焔土器など、その造形美には驚かされるばかりです。かの岡本太郎氏が、日本の芸術作品の中で唯一高く評価していたのが「縄文」だったというのですから、芸術的な評価がなされて当然なのかもしれません。

本書では、縄文の土器や土偶を豊富な画像で紹介しているだけではなく、「縄文の手引き」「縄文人のくらし」「縄文革命とは」「縄文の食卓」「東京JOMON散歩」など、身近に縄文時代を感じられるような読み物や企画が続きます。また、梅原猛さんの対談があったり、縄文の気配が色濃く残る「諏訪」のガイドがあったり、バランスのいい内容ですね。縄文時代などに全く興味がなかった方にも注目して欲しい内容だと思います。

また、余談になりますが、ミホミュージアムの企画展の図録『土偶・コスモス』がAmazonでも購入できるようになってますね。私は会場で買って来ましたが、これは収録点数もお値段もボリュームありますので、画像中心で見たい方はこちらを手に入れてもいいかもしれません。

芸術新潮は月刊誌ですから、本号はもう書店では手に入りません。ネットショップかお近くの図書館で探してみてください。


『<$MTEntryTitle$>』より

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