韓国の美しいもの (とんぼの本)
韓国の美しい手仕事を分かりやすく紹介する一冊。独特のテイストがいいですね
ここのところ民藝テーマの本を何冊か読んできたため、図書館で何となく手にとってみました。韓国の手仕事については詳しくありませんが、やはり日本との共通点も多いですね。素朴で味わい深い美しいものたちが紹介されていて、私のような色んな初心者でもとても面白く読めました。
2010年3月に発売されたもので、130ページ弱。図版も多くて読みやすいですし、さすがは人気シリーズ「とんぼの本」だと思います。
紹介文:「チュモニ(袋物)、ソバン(お膳)、ポジャギ(風呂敷)、キロギ(鳥の置物)…。お隣の国に伝わる手仕事の、なんてキュートなことでしょう!かわいい雑貨や工芸品を愛する人気のインテリアスタイリストが、その目で選び、おすすめする「美しいもの」たち。衣、食、住の各シーンや祀りや祈りの場面ごとに、暮らしに息づく29の工芸を紹介。私たちの国とも共通するかたちに驚いたり、美意識の違いに納得したり…など、興味深いレクチャーも。見たい、欲しい、に応える博物館やショップリスト付き。」
私は韓流ドラマ(に限らず日本のものも)ほとんど見ませんので、韓国文化についてはほぼ知識はありません。カラフルなチマ・チョゴリなどを見ても、お国柄の違いを感じるだけで全くシンパシーを感じません。しかし、タイトルどおり、とても美しいものがたくさん見つかりました。
●韓国風のお膳兼小さなテーブル「ソバン」●薬箪笥「ヤクチャン」●飾り金具「トゥソク」●幾何学模様の風呂敷「ポジャギ」●牛の角の工芸品「ファガク」●金属食器「クムソクシッキ」●伝統の瓶「オンギ」
いわゆるオリエンタル的ではなく、かといって古い日本のものともまた違う美しさですね。民芸運動の先頭に立った柳宗悦などは、朝鮮半島の手仕事に傾倒したといいますが、確かにその不思議なニュアンスはとても魅力的に映ります。
本書では、一つのジャンルについて2~6ページほどにわたって画像豊富に分かりやすく紹介してくれます。おそらく、伝統の技術を継承した若手作家さんの作品が多めだと思いますが、だからこそ今見ても古びていないんでしょう。この手の入門書としても最適だと思いますので、興味がある方はどうぞ。