別冊みーなvol.2「特集:湖北の観音さま」
長浜市のローカル誌による、湖北エリアの仏像のムック本。地域密着で面白いです
琵琶湖の北東部、湖北エリアの仏像を特集したムック本。発行者は、びわ湖畔にある滋賀県長浜市から、渋いローカル情報を発信している地域情報誌「長浜み~な」さん。110号+111号の特集内容を、ほぼそのまま一冊にまとめています。
長浜を中心としたエリアは「観音の里」などと呼ばれており、そこに祀られている仏さまと、代々篤く護ってきた地域の方々とにスポットライトを当てています。決して他の専門的な仏像本のようにはならず、地元ならではの距離感の近さが読み手にも伝わってくる、楽しい内容ですね。
内容は、湖北エリアの仏さまにまつわるエッセイや、それを護る方たちを追った記事など。仏像の画像も豊富に使用されていますが、白黒のものが多いので、やや見づらい感はあります。面白いのは、仏像の学術的な調査の模様をレポートした記事や、よその地域の人間にはなかなか行けない己高山にある鶏足寺跡への登山レポートなど。他では読めない記事ですね。また、「仏像拝観のいろは」が学べるコーナーもあって、これも分かりやすく出来てました。
単純に仏像拝観のガイドブックとしては、以前に紹介した『近江若狭の仏像 (楽学ブックス)』の方が優れていると思いますので、最初はこちらを読んでみるといいと思います。しかし、拝観に事前予約が必要なことも多いため、別冊みーなに掲載されているお寺さんの連絡一覧表などはかなり便利でしょう。また、湖北エリアの仏さまと地域の方たちとの近しさを知ってからだと、この本の良さがより理解できると思います。
ISBNもついていないためオンライン書店では購入できず、みーな編集部さんからゆうメールで本を発送してもらって、同封の振込用紙で支払い…というパターンです。こんな手順を踏むのは久々なので最初はちょっと戸惑いますが、先方にカード番号を預けてしまうよりはよっぽど安心かもしれませんね。ちなみに、本のお値段は880円、送料と合わせてちょうど1,000円でした。
なかなかニッチな本ですが、興味のある方はぜひ!