2012-07-06

もっと知りたい伊藤若冲―生涯と作品 改訂版 (アート・ビギナーズ・コレクション)

斬新でマニアックで粘着質。異能の絵師・若冲の魅力を分かりやすく

18世紀の京都画壇で活躍した異端の絵師「伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)」の作品と人物像を、分かりやすく掲載した一冊。私のような美術初心者にも優しい「アート・ビギナーズ・コレクション」の一冊で、入門書としても最適です。以前に『異能の画家 伊藤若冲 (とんぼの本)』という本も読んでいますが、こちらの方がより総合的です。

伊藤若冲は、1716年に京都の裕福な商家の長男として生まれました。その後、家業を継いだり、早めに隠居したりしながらも、驚くような細かい超絶テクニックを用いた独特の絵を、次々に発表していきます。一連のニワトリの羽根の一本一本まで精緻に描いた作品群などは、目がくらむほど。約6千個ものマス目を几帳面に塗って、点描のテクニックで創りあげた「白象群獣図」などを見る限り、とんでもないマニアックな人物像が連想されます。

実際に、黄檗宗の僧侶たちとも関わりが深かかったため、生涯を独身で通したり、珍しいものを集めたり細かいものが大好きなオタク気質だったり、なかなかの変わり者だったことは間違いないようです。

代表作とも言える、京都・相国寺に奉納された、独特の三十幅にも及ぶ花鳥画のシリーズ「動植綵絵(どうしょくさいえ)」(と、仏画「釈迦三尊像」)など、精緻さ・構図の斬新さなど、驚くばかりです。18世紀にしてすでにモダンなんですね。個人的に一番好きな、MIHO MUSEUM所蔵の「象と鯨図屏風」が収録されているのも嬉しいところです。

ページ数の制限があるため、収録点数は決して多いとは言えませんが、その魅力が十分に感じられるような親切な作りになっています。同時代の、池大雅・与謝蕪村・曾我蕭白・長沢芦雪など、この時代の京都画壇の絵師たちの作品は本当に面白いですから、ぜひ関連書を手にとってみてください!


『<$MTEntryTitle$>』より

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