マイ仏教
仏教が永遠のマイブーム!人生で大切なことはすべて仏教に教わった
「マイブーム」の生みの親である鬼才・みうらじゅん氏(MJ)が、永遠のマイブームである「仏教」について語った一冊。
これまで、「見仏記」「アウトドア般若心経」など、ライト過ぎる著作のため、仏教界から色んなクレームもあったそうですが、最近ではお寺さんや宗門の大学で仏教についての講演的なものも依頼されるようになっているとか。それを喜ぶ反面、「仏教界(=仏壇)」は人材不足なのでは…と憂いている、みうらさんなりの仏教観が描かれています。
みうらさんは、幼い頃から仏像好きな方で、最初の2章はご自身と仏教的なものとのこれまでの関わりについて語っています。怪獣のようだと好きになった仏像たち。小さな頃から仏像の記事はスクラップブックにし、御朱印を集め、地方仏の素朴さに目覚め、将来の夢は「住職になること」でした。高校生以降、フォークソングにはまって仏さまから遠ざかるものの、横尾忠則さんの絵をきっかけに仏教へ再会し、今のような活動を続けています。
そんなことを紹介した流れから一転、第三章は「諸行無常と諸法無我」というタイトルで、仏教の教えを少しだけ専門用語を交え、分かりやすく説いていきます。流行語にもなった「自分探し」の対義語として、無我を求める「自分なくし(=諸法無我)」を提言したりと、相変わらずこの方の言葉選びはすごいですね。
第四章「地獄ブームと後ろメタファー」、第五章「ご機嫌な菩薩行」、第六章「いつも心にマイ仏教を」と、もはや何を言ってるのか分からなくなると思いますが、ちゃんと仏教について語っています。面白いのは、みうらさんが数年前から注目していた「地獄ブーム」が、世間では本当に少しだけ見なおされてきていることですね。先見の明が…とは言いませんが、今の世の中に必要なものなんでしょう。
仏教界の方々はこの本を読んでどう思われるかは分かりませんが、(敬う心を失わなければ)こんな入口があってもいいと思います。ぜひ気軽に手にとって欲しい一冊ですね。