2011-11-02

澁澤龍彦の古寺巡礼 (コロナ・ブックス)

澁澤龍彦さん的な古寺巡礼。語りとエッセイで振り返ります

澁澤龍彦さんとその妻・龍子さんが巡った日本の寺社の記録を、龍子さんの語りと龍彦さんのエッセイなどで振り返った一冊です。

私は以前、澁澤さんのエッセイを読みあさっていた時期がありましたが、海外の博物学に詳しい方という印象でした(マンドラゴラやドラゴンなど)。歴史的な小説を書いていたことはもちろん知っていましたが、ここまで日本の寺社仏閣を歩いていたとは、ちょっと驚きでした。例え読んでいたとしても、当時の私には全く理解できなかったでしょうw

観音巡礼・太平記・地獄絵などのテーマにそって、奈良や京都、鎌倉など、夫婦で旅行した土地を紹介しています。興味のある人の足跡をたどるタイプの旅行が多かったようで、伊藤若冲・佐々木道誉・俵屋宗達・織田信長・花山天皇・明恵上人など、作品の取材も兼ねて縁の地を訪ねています。

とても興味深く読めましたので、また改めて澁澤作品を読みなおしてみたいという気持ちにさせてくれました。以前よりは私の理解度も高まっているはずですし、新たな視点からの再発見があると思うので楽しみです!


【澁澤龍彦の古寺巡礼 (コロナ・ブックス)】の関連記事

  • 『鳥居大図鑑』~全国57の美しい鳥居、変わった鳥居を紹介。観察・分類することの楽しさよ!~
  • 『教えて、お坊さん! 「さとり」ってなんですか』~キーワードは「さとり」。仏教の教えの奥深さと包容力が感じられる良書~
  • 『源信さん 浄土教の祖』~当麻出身の源信の絵詞伝が絵本に。奈良博の特別展の予習用にいいかも~
  • 『天平期の僧侶と天皇―僧道鏡試論』~悪評が伝わる「道鏡」について、鑑真や良弁、行基ら奈良仏教史から考察した一冊~
  • 『百寺巡礼 第一巻 奈良 (講談社文庫)』~作家・五木寛之さんの名シリーズ。奈良の古刹で色んな思いを馳せられます~
  • 『ボクは坊さん。』~映画化された若いお坊さんのエッセイ本。初々しく新鮮。良書です!~
  • 『身体と心が美しくなる禅の作法―だれでもできる一日一禅』~初心者向けの座禅入門本。栗山千明さんが登場したり、わかりやすく柔らかい内容です~
  • 『アマテラス―最高神の知られざる秘史 (学研新書)』~古代から近代まで、最高神アマテラス祀られ方や性格の変貌ぶりを追った一冊。面白い!~
  • 『霊能動物館』~社寺に祀られる動物たちをオカルト的・民俗学的に考察。知らない歴史がいっぱいで面白い!~
  • 『京都・奈良ご朱印めぐり旅乙女の寺社案内』~御朱印の掲載点数は少なめですが、参拝ガイドとして便利。お寺巡り初心者さんに役立つ一冊~
  • 『体を使って心をおさめる 修験道入門 (集英社新書)』~金峯山寺・田中執行長が「修験道」を分かりやすく解説した一冊。一気に読了しました!~
  • 『山伏ノート ~自然と人をつなぐ知恵を武器に~ (生きる技術! 叢書)』~山伏になって聖なる山へ入ることで見つけたこと、感じたこと。色々と考えさせられます~


  • Twitterでフォローする
  • Facebookページを見る
  • Instagramを見る
  • ブログ記事の一覧を見る







メニューを表示
ページトップへ