2019-08-23

今も残る「なら・シルクロード博覧会」のモニュメント4体

今も残る「なら・シルクロード博覧会」のモニュメント4体

1988年に開催された『なら・シルクロード博覧会』の際に、春日大社参道で歴史モニュメントが展示されていました。そのうちのチンギス・ハン像など4体が、今も大和郡山市「浄化センター公園」で展示されています。シルクロード'88 公式ガイドブック「シルクロード」を見ながら、簡単に振り返ってみました。


シルクロード'88 の名残が見られます

1988年に奈良で開催された『なら・シルクロード博覧会』(Wikipedia)。183日間の会期中の入場者は「682万人」。これは当時の奈良県の人口の5倍(!)であり、2010年の『平城遷都1300年祭』平城宮跡会場の来場者の2倍近くにもなるという、とんでもない大成功イベントでした。

私自身は当時の奈良の状況はまったく知りませんので、イベント終了後に発行された「公式記録」を読んでこんな記事を書いたりしました。


「なら・シルクロード博覧会」は、いまからすでに30年も前のイベントですから、その名残にふれる機会も多くありませんが、先日、大和郡山市と川西町に広がる「
まほろば健康パーク(浄化センター公園)」で、当時の石像があることに気づきました。

なら・シルクロード博覧会「シルクロード・モニュメント」@浄化センター公園-01
その石像がこちらの4点です。説明にはこのようにあります。

「SILK ROAD '88
昭和63年(1988)4月から10月まで奈良公園、及び平城宮跡において、「民族の英知とロマン」をメインテーマに なら・シルクロード博 が開催されました。
その際、春日大社参道に、シルクロード関係する歴史モニュメント14点が展示されました。
今回、その中から4点を選びこの地に展示いたします。過ぎ去りし なら・シルクロード博 の一部なりとしのんでいただければ幸です。」


秦の始皇帝、チンギス・ハーンなど4体

なら・シルクロード博覧会「シルクロード・モニュメント」@浄化センター公園-02
現地の説明がほとんど読めない状況なので、ひそかに購入してあったシルクロード'88 公式ガイドブック「シルクロード ~ぼくらの前に未知がある。」(味のあるサブタイトル!)を引っ張り出してきて調べてみました

なら・シルクロード博覧会「シルクロード・モニュメント」@浄化センター公園-03
「シルクロード・モニュメント」については、ガイドブック76ページから、見開きで紹介されています。以下の14体が春日大社参道の両脇に配置されていたようです。

オスティアのモザイク、ペルセポリスのグリフィン、唐草文様、ラクダに乗った楽人、チンギス・ハン、ダレイオス1世、アレクサンダー大王、シルクロードの飛天、マルコ・ポーロ、秦の兵馬俑、秦の始皇帝、アスターナの十二支俑、玄奘三蔵と西遊記、遣唐使船。

なら・シルクロード博覧会「シルクロード・モニュメント」@浄化センター公園-04
現在も見られるのは、まずは「ペルセポリスのグリフィン」。前6世紀~前4世紀ごろのもので、「ペルシアの宮殿ペルセポリスの柱頭部を飾っていたと考えられる、想像上の怪獣です。」とのこと

なら・シルクロード博覧会「シルクロード・モニュメント」@浄化センター公園-05
こちらは「ダイオレス1世」(?~前486)。アケメネス朝ペルシアの最盛期を築いた名君だとか。ペルセポリ宮殿の浮き彫りをもとに作られたモニュメントだそうです

なら・シルクロード博覧会「シルクロード・モニュメント」@浄化センター公園-06
こちらは線刻のためだいぶ見づらいですが、「秦の始皇帝」(前259~前210)です。ガイドブックには「シルクロードの東の拠点を想像した人物」とあります。漫画『キングダム』の世界ですね。中国歴史博物館の肖像画を参考にしたものだとか


なら・シルクロード博覧会「シルクロード・モニュメント」@浄化センター公園-07

最後の4体目は、一気に時代が下って「チンギス・ハン」(?~1227)です。「大モンゴル帝国を建設した軍事的天才の雄姿」。オルドスの墓陵より再現したとか

なら・シルクロード博覧会「シルクロード・モニュメント」@浄化センター公園-08
ちなみに、それぞれの像の横には金属製の説明があるのですが、すっかり風化してしまってほぼ読めません。石像自体は劣化した感もなく、春日大社の参道に並べられた様子を妄想できます


当時の公式ガイドブックが楽しい!

なら・シルクロード博覧会「シルクロード・モニュメント」@浄化センター公園-09
シルクロード'88 公式ガイドブック「シルクロード」ですが、全184ページで定価800円。時代を感じるイラストなどが多用されていて、見ているだけで面白いです。
このページは、なら・シルクロード博の会場案内図。西側から、平城宮跡会場・登大路会場・飛火野会場・春日野会場とあり、その規模の大きさが伝わってきます!

なら・シルクロード博覧会「シルクロード・モニュメント」@浄化センター公園-10
春日野会場の会場マップ。日本たばこや京セラ、富士通、NTT、松下、キリンなどの企業パビリオンが立ち並び、大きな「海のシルクロード館」などもありました

なら・シルクロード博覧会「シルクロード・モニュメント」@浄化センター公園-11
公式ガイドブックでは、イラストを用いて各パビリオンの内容を紹介しています。こちらは登大路会場の「シルクロードなら館」のページ。奈良県と奈良市が共同で出展したもので、アピールポイントは現在とほぼ同じですから、(いい意味で)相変わらずで安心します(笑)

なら・シルクロード博覧会「シルクロード・モニュメント」@浄化センター公園-12
なら・シルクロード博で大きなインパクトを残したパビリオンが、飛火野会場の「タクラマ館」です。世界第2位の面積を誇る「タクラマカン砂漠」がテーマで、実際に現地の砂を敷き詰め、その酷暑を再現した「チャレンジ・ザ・タクラマカン」が設置されていたとか。楽しそう!羨ましい!

公式ガイドブックは、また機会があれば詳しくご紹介します。オークションなどで安く入手できたりもしますので、興味のある方はぜひ!


■なら・シルクロード博覧会

HP: 参考サイト(Wikipedia)
期間: 1988年4月23日~10月23日
会場: 奈良公園・平城宮跡など


■参考にさせていただきました

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