怪しげな洞窟を涼しく探検!『面不動鍾乳洞』@天川村
天川村・洞川温泉エリアの入口にある『面不動鍾乳洞』。長さ150mで、しっかり整備されていて、とても歩きやすくなっています。内部は七色にライトアップされていて、ちょっとした別世界の気分が味わえます!中の気温は一年中「約8℃」ほどで、薄着で入ると肌寒さで震えるほど。静かで不思議な洞窟を、探検気分で歩いてみてください!
モノレール「どろっこ号」も快適に
風情ある温泉街が広がり、修験道の聖地「大峯山(山上ヶ岳)」への入口として栄える、天川村・洞川温泉エリア。石灰岩を含む水成岩の地帯で、永い年月を経て浸蝕・風化した「カルスト地形」となっており、いくつか鍾乳洞が存在します。
『面不動鍾乳洞』(めんふどうしょうにゅうどう)は、洞川温泉エリアの入口となるバス停近くにある鍾乳洞です。長さ150mで、奈良県の特別天然記念物に指定されています。
鍾乳洞の中の気温は年間を通じて「約8℃」ほどで、夏でも肌寒さで震えるほど。内部は七色にライトアップされていて、ちょっとした別世界の気分が味わえます!
天川村の洞川温泉エリアに入ってすぐ、『面不動鍾乳洞』への入口が見えてきます。駐車場はこの向かい側にあり、4台分ほど。ここが満車の場合、近くの村営洞川温泉センター前の「洞川駐車場」(1時間100円)を利用しましょう
入口からすぐの位置にある「面不動モノレール」乗り場(洞川(どろがわ)だけに愛称は「どろっこ」だとか!)。電動にリニューアルされ、定員16名へアップしています。料金は、大人-往復500円・片道300円、小人-往復300円、片道200円、3歳以下は無料。営業時間は9時半~17時半ですが、季節によって多少前後します
面不動モノレール「どろっこ」に乗って鍾乳洞の入口までやってきました。見晴らしは抜群!最新の電動ですので、振動も音も少なく快適です。歩いて登ると10~15分ほどかかるそうですので、上りだけ使って帰りは徒歩、というパターンがいいですね
面不動鍾乳洞の受付。意外と立派な建物があって驚きました。帰る間際に、ここでわらび餅をいただいたのですが、かなり美味しかったです!
面不動鍾乳洞は、1933年(昭和8年)に橘本広吉氏に発見され、井口晃氏、大谷実太郎氏の3名が、6年の歳月と私財を投じて発掘しました。その縁起を記した石碑と、発見者の橋本氏の胸像が建てられています。なお、この岩山の一帯を土地の人が「メンの不動さん」と呼んでいたことから、面不動鍾乳洞と呼ばれるようになりました
七色のライトアップで怪しい探検隊気分!
面不動鍾乳洞の入口部分。同じ洞川地区の『五代松鍾乳洞』(紹介記事)とは違い、ガイドの方は同行せず、自分たちだけで見て歩くスタイルです。また、頭を打つような危険な箇所もありませんので、ヘルメットなども不要です
面不動鍾乳洞の案内図。シンプルに1周するルートのように見えますが、高低差があって立体的に交わるため、かなり複雑です
鍾乳洞に入ってすぐの様子。下ったり上ったり、意外と複雑なルートです。天井は高いですが、あまり大きな鍾乳石は見られません。ライトの色合いもあって、昔の映画の悪役の秘密基地みたいな雰囲気ですね(笑)
鍾乳洞はこんな感じ。ルートを外れたりしないように、ちゃんとした柵が設けられています。また、内部の照明が七色に移り変わるようになっていて、かなり怪しげな雰囲気を醸し出しています。なお、鍾乳洞の内部の温度は「8℃」ほどですから、かなり寒いです!夏に薄着で入ると震え上がるかもしれません
面不動鍾乳洞の中盤にある「しぐれ窟」のあたり。上から伸びた鍾乳石がしぐれを降る様を連想させ、円盤状にもみえる岩が雲の峰の様に見えるとか。ここをじっと見ていると、次々にライトの色が移り変わっていくのが分かりました
こんなきつい色まで!お子さんなどには分かりやすくて楽しいかもしれませんね
長さ150m。涼しい洞窟内を巡ります
入ってすぐにある「獅子の窟」。奥まった部分に、天井から大きな鍾乳石、地面からは水滴に含まれる成分が固まってできた石筍(せきじゅん)が伸びています
「ちりめん天井」と名付けられた場所。岩肌にちりめんのようなシワが観られます
「権現の窟」。無数の小さな鍾乳石が。鍾乳石は1cm伸びるのに100~200年もかかるそうです。気が遠くなるほどの時間をかけて成長しているんですね
「こうもり窟」。鍾乳石の先が欠けてしまったものも少なくありません。人の手が届く位置のものが壊れていたため、おそらくイタズラされたのでしょう。けっして手を触れたりしないようにしましょう!
「羅漢窟」。無数に発生した石筍が、五百羅漢のような姿に見えたことから名付けられたとか。青いライトに照らされると、SF映画のようですね
人の手の届かないところには、美しい鍾乳石が残っています
「珊瑚の壁」まさに珊瑚の肌のように見えますね
「錦糸の窟」狭い岩の間を、数えきれないほどの鍾乳石が伸びています。映画やゲームで観たりする、「串刺ししようと迫ってくる壁」のようですね!
色と角度が変わると、また違った雰囲気に
「ご母堂窟」石筍を、役行者の母上・刀良売(とらめ)の姿に見立てたのでしょうか。確かに女性的なフォルムの立ち姿のように見えました!
終盤に突然現れた小さなお社。「昭和10年、この場所で、てん・かわうそ・日本猿の化石となった白骨が発見されました。一千年以上以前のものであると云われております」という説明とともに、まさに頭骨が置かれています!びっくりしました(笑)
鍾乳洞のあたりから洞川エリアが一望
面不動鍾乳洞のあたりからは、洞川温泉エリアが一望できます
また、その向こうの大峯山もはっきりと見え、有名な「西の覗き」「鐘掛岩」などもかすかに見えます。ぜひ確認してみてください!
洞川地区の2つの鍾乳洞を比べてみると
この日、私たちは洞川エリアにある『面不動鍾乳洞』と『五代松鍾乳洞』(紹介記事)へ行きました。それぞれ特徴があって、かなり印象は違いました。
●五代松鍾乳洞 -- トロッコはワイルド。内部の気温は10~11℃。ガイドさんと一緒に入洞。距離は短め。道は険しく冒険してる感がある。鍾乳石が巨大。自然な姿がよく残っていて、鍾乳洞らしい
●面不動鍾乳洞 -- トロッコは最新式。内部の気温は約8℃。自分たちだけで自由に歩ける。距離は長め。道は歩きやすく、観光気分で行ける。鍾乳石はそれほど大きくない。歩きやすく整備されていて、ライトアップも派手
よりワイルドさを求めるのであれば『五代松鍾乳洞』がオススメです。頭をぶつけるほど狭いところもあり、巨大鍾乳石も迫力満点でした。ただ、ガイドさん(必要最低限、完結に説明してくれます)と一緒に中に入りますので、写真を撮っていたりするとお待たせしてしまう感があるのが申し訳ない気分になりました。
一方の『面不動鍾乳洞』は、鍾乳石の迫力では劣りますが、怪しいライトアップ効果もあり、秘密の地下通路を探検している気分になりますね。入った瞬間に「寒っ!」と感じられるのも、ちょっとした異世界の気分です。
どちらかお好きなタイプを選んで、鍾乳洞めぐりが楽しいと思えたら、両方を制覇してみるといいですね!
■面不動鍾乳洞(めんふどうしょうにゅうどう)
HP: 参考サイト(大峯山洞川温泉観光協会)
住所: 奈良県吉野郡天川村洞川
電話: 0747-64-0352
定休日: 不定休(12月31日~1月6日は休)
営業時間: 9:00 - 17:00
料金; 大人-400円、小人-200円
駐車場: 無料
アクセス: 洞川バス停から徒歩約2分(トロッコ乗車場まで)
※駐車場は4台分ほど。満車の場合、近くの「洞川駐車場」(1時間100円)を利用のこと
■参考にさせていただきました
面不動鍾乳洞 - じゃらんnet
関西子どもとおでかけ遊び場情報 ~洞川温泉・面不動鍾乳洞~
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