2014年『練供養会式』を拝見しました@當麻寺(葛城市)
毎年5月14日、「中将姫」の命日に葛城市・當麻寺で営まれる『聖衆来迎練供養会式』を拝見してきました。二十五菩薩と観音・勢至・普賢菩薩さまが、西方浄土から中将姫をお迎えにやって来るシーンを表したもので、荘厳で華やかで力強い法要です。簡単にご紹介しておきます。
【追記】當麻寺の「練供養会式」は毎年5月14日でしたが、2019年から「毎年4月14日」開催へと変更になります。
毎年5月14日、中将姫の命日に営まれます
「中将姫(ちゅうじょうひめ)」(Wikipedia)が一夜のうちに織り上げたと伝わる「当麻曼荼羅」(国宝)をご本尊として祀る、葛城市の古刹『當麻寺』(当麻寺とも)。
中将姫の命日にあたる毎年5月14日、千年も続く『聖衆来迎練供養会式(しょうじゅうらいごうねりくようえしき)』という法要が営まれます。
「練供養会式」「おねり」「当麻レンゾ」などとも呼ばれるもので、西方浄土から二十五菩薩と観音・勢至・普賢菩薩さまが、来迎橋をわたって中将姫をお迎えにやって来るシーンを表したもの。荘厳であり、華やかであり、とても力強さを感じる法要です。
私たちは自宅から近いこともあり、すでに何度も拝見していますが、やはり素晴らしいですね。お練りの日としては珍しく、この日は厚い雨雲が垂れこめていましたが、法要が終わるまで雨粒は落ちてこず、無事に執り行われました。
その様子は以前の記事に詳しく書いていますので、簡単に画像メインでご紹介します。
5月14日の『聖衆来迎練供養会式】当日の「當麻寺」境内の様子。この長い来迎橋を練り歩きます
当麻寺駅から続く参道はもちろん、山門をくぐってからも、両脇に屋台が並びます。この日は平日ですが、地元の学校も半日授業になるそうです!
當麻寺・奥院の北側に、広いグラウンドがありますが、そこが「練供養臨時駐車場」として開放されていました(無料)。周辺の細い道は車での通行が規制されますので、土地勘のない方にはややこしいかもしれませんが、覚えておくと便利ですね
極楽から娑婆へ、中将姫をお迎えします
當麻寺の練供養会式は、16時から始まります。来迎橋の両脇には、たくさんの見物客が押し寄せますが、橋のすぐ脇、最前列で観たい方は1時間前くらいから陣取っておくといいでしょう。
まずは中将姫像を乗せたお神輿から始まり、お稚児さん、僧侶、雅楽隊、二十五菩薩といった順番で登場。本堂(この日だけは「極楽堂」)から、小さな「娑婆堂」までを練り歩きます。きらびやかな衣装をまとった方たちが次々と目の前を通っていく様子は、この世のものとは思えない美しさです!
すくい仏さまと拝み仏さま、間近だと大迫力!
その後からやって来るのが、練供養会式の主役ともいえる、「観音菩薩さま(すくい仏)」と「勢至菩薩さま(拝み仏)」です。左右に両手を振りながら上下動を繰り返し、ゆっくりと力強く来迎橋をわたっていきます。
短い動画も撮影しましたので、ご覧ください。
「聖衆来迎練供養会式(練供養) @當麻寺(葛城市)その1」2014年の短い動画です。来迎橋の床を踏みしめる力強い足音も聞こえます
「聖衆来迎練供養会式(練供養) @當麻寺(葛城市)その2」阿弥陀さまとなった中将姫を極楽へお連れするところ
間近で拝見するととても迫力があります。言い方は良くありませんが、現場ならではの「ライブ感」があるんですよね。
往路では蓮華座だけを手にしていた「すくい仏」さまは、復路では娑婆堂にいらっしゃった中将姫さま(阿弥陀さまのお姿になっています)をお救いして、蓮華座に乗せて帰ってきます。極楽へ召されていく様子が表されています。
その後を菩薩さまたちが続き、みなが極楽へ向かいます
お練りが終わった後の来迎橋。向こうに見えるのが本堂(極楽堂)です。こんな長い距離を練り歩くんですから大変です!
■當麻寺
HP: 中之坊- http://www.taimadera.org/ 、奥院- http://www.taimadera.or.jp/
住所: 奈良県葛城市當麻1263
電話: 中之坊 0745-48-2001、奥院 0745-48-2008
宗派: 高野山真言宗・浄土宗
本尊: 当麻曼荼羅
創建: 7世紀前半ごろ
拝観料: 境内は無料(伽藍:500円、中之坊:500円、西南院:300円、奥院:300円、護念院:300円)
拝観時間: 9:00 - 17:00
駐車場: 無料駐車場あり(台数に限りがあります)
アクセス: 近鉄南大阪線「当麻寺駅」から徒歩約20分
※練供養会式は、雨天の場合は来迎橋ではなく、曼荼羅堂の周囲を行道するそうです
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