
ホルンが響く奈良の冬の風物詩『鹿寄せ』@奈良公園
「財団法人 奈良の鹿愛護会」による、奈良の冬の風物詩『鹿寄せ』を観てきました。ホルンの音色に誘われて鹿たちが一斉に駆けてくる様子は、本当に迫力がありました!冬の朝の奈良公園は(寒いですが)清々しいですし、早起きするだけの価値はありますよ!
初冬と真冬、鹿寄せの無料体験が行われます
奈良の冬の風物詩になっている『鹿寄せ』。奈良公園の春日大社境内地内の「飛火野(とぶひの)」にて、毎冬に無料体験が行われます。
(※有料開催もできるため「無料体験」という言い方になっているようですが、観光客がホルンを吹かせてもらえたりするわけではありませんのでお気をつけください。)
主催する「財団法人 奈良の鹿愛護会」のスタッフの方がナチュラルホルンを吹くと、その音に誘われて森の中から鹿の群れが一目散に走ってきます。奈良ならではののどかなイベントですね。
その模様を撮影した動画がアップされていますので、ぜひご覧ください。数年前に放送していたドラマ『鹿男あをによし』のオープニングムービーのように、鹿たちが走り寄ってくる光景が見られます!
奈良公園の鹿寄せ
2009年 鹿寄せ 奈良公園 ホテルアジール・奈良 撮影
なお、この「鹿寄せ」の無料体験イベントですが、12月初旬(2012年は12月1日~14日まで)に開催されるものは「午前9時30分スタート」、真冬(2013年は2月1日~3月17日まで)のものは「午前10時スタート」となっています。ちょっとややこしいので間違えないようにしましょう。
また、この期間以外にも、有料(1回 20,000円)となりますが、随時鹿寄せを開催してもらうことは可能です。ちょっと人数が集まった時に頼んでみるといいかもしれませんね。
『鹿寄せ』が行われる、奈良公園の春日大社境内地の「飛火野」。12月初旬の鹿寄せは午前9時30分スタートです。時間ギリギリに到着してみたら、平日の朝にも関わらずすでにたくさんの人がいらっしゃいました。なお、この朝は奈良県内の広い範囲で霧が発生し、全体的にもやっています
鹿たちが一斉に駆け寄ってくる姿が健気!
「鹿寄せ」のイベントは、計15分くらいで終わります。そんな短い時間ですが、想像以上に楽しかったです!
ホルンの音色に誘われて鹿たちが駆け寄ってきて、お兄さんから大好物のドングリをもらい、観光客が購入した鹿せんべいをもらい…と、文字にしてしまうとそれだけなんですが、これが迫力があって面白いんですよ。鹿たちが一斉に走ってくるところとか、出遅れた奴らが慌ててやって来るところとか、お子さんからカメラマニアの方まで楽しめるでしょう。
時間が来ると、奈良の鹿愛護会の方がナチュラルホルンを吹き鳴らします。音の出がいい日と悪い日があるようで、この日は音が詰まったりして、かなり苦戦なさっていました
ナチュラルホルンで奏でる曲は、ベートーベンの交響曲第6番「田園」の中のワンフレーズだとか。遠くの森からたくさんの鹿が走ってこちらへ向かってきています!時間がなくてちょうどお兄さんと重なる位置に陣取ってしまいましたが、もうちょっと左右にずれるか、左手に見える大きな木の向こう側でカメラを構えるかした方がいいかもしれません
鹿たちが続々と到着。この時点ではまだドングリなどは撒いていませんから、ちゃんとホルンの音だけで駆け寄ってきたんですね
撒かれたドングリ(鹿せんべいの次に大好物)をムシャムシャと食べます。スタートダッシュに失敗して、乾杯(?)のタイミングに間に合わなかった鹿たちも、大急ぎで駆け寄ってきていますね
しばらくはドングリを食べまくりです。この時期は奈良公園内のいたるところでドングリが拾えます。慣れた鹿だと手のひらに乗せたドングリも美味しそうに食べてくれますので(ただし、鹿せんべいほどは喜ばれません)、お試しあれ
一連の流れが終了すると、鹿せんべいが販売されます。食欲に火がついた大量の鹿たちにチヤホヤしてもらえますよ!
大好きな鹿せんべいの匂いがするだけに、ドングリ以上の食いつきっぷりです
Facebookなどで好評だった飛火野の鹿の写真。霧に包まれて、神鹿がより神々しく写っています
何でホルン?何でベートーベン?
なお、財団法人奈良の鹿愛護会さんの『鹿寄せ』のページには、1892年「鹿園竣工奉告祭」の時に、ラッパを使って初の鹿寄せが行われたこと、
施、その後、明治天皇や昭和天皇などもご覧になっていることなどが説明されています。
いつから「ナチュラルホルン」を使用することになって、曲がベートベンの交響曲第6番「田園」から取られるようになったのかは、以下の記事に詳しく書いてありました。
ナチュラルホルンにはピストンがなく、息の入れ方で音程を変える。戦前はラッパを使っていたが、戦中の中断から昭和24年に復活する際、当時の会長で春日大社宮司だった水谷川忠麿さんの提案でナチュラルホルンになった。
水谷川さんは音楽に造詣が深く、ホルンの牧歌的なイメージが鹿寄せに合うとして導入を提案したという。愛護会が中古品を購入し、今も現役で使われている。
池田佐知子事務局長は「愛護会にとっては国宝級の財産。大切に使っていきたい」と話す。
ベートーベンの交響曲第6番「田園」のワンフレーズを選んだのも水谷川さんで、鹿寄せファンにはおなじみだ。愛護会の職員11人のうち、8人がこのホルンを吹け、吹奏楽の指導者を招いて講習を受けたこともある。
近くの『鹿苑』では「角鹿公開」を開催中
また、飛火野の近くにある「鹿苑(ろくえん)」では、初めての一般公開となる「角鹿公開」を行なっています。
鹿苑とは、負傷や病気の鹿、畑を荒らしたり人に危害を加える鹿などを隔離するために施設です。今回の「角鹿公開」では、奈良公園を離れて遠出したり、畑を荒らしたり、人に向かっていく気性の荒い雄鹿たちが収容されているところが間近で見られます。
●期間: 12月3日~2月28日(土日祝、年末年始を除く)
●時間: 13:00~16:00
●料金: 100円程度の協力金が必要
●参考記事
奈良「鹿苑」一般公開 - MSN産経ニュース
来月3日から鹿苑を一般公開 奈良の鹿愛護会 - MSN産経ニュース
初冬の「鹿寄せ」は9時半から15分ほどで終わります。すぐ近くの鹿苑の公開は13時から(平日のみ)ですから、その間どこかで時間を潰さなくてはいけないのが残念ですが、せっかくの機会ですから、合わせてどうぞ!
飛火野の近くにある、鹿の収容施設『鹿苑』では、2012年12月3日から、初の一般公開「角鹿公開」が始まりました(2013年2月末まで)。平日の午後のみとなりますが、ぜひ行ってみてください
より大きな地図で 奈良公園(飛火野) を表示
■鹿寄せ
HP: http://www.naradeer.com/
場所: 奈良県奈良市春日野町160(財団法人 奈良の鹿愛護会)
電話: 0742-22-2388
開催時期: 無料体験は毎年冬に、その期間以外は有料(HPを参照のこと)
駐車場: 近隣に有料駐車場あり
アクセス: 近鉄奈良駅から徒歩約25分
※期間中も休止日などありますので、必ず事前に「イベント情報」のページで日程をご確認ください。
■参考にさせていただきました
大和路アーカイブ [(財)奈良の鹿愛護会]
ベートーベンで鹿寄せ 奈良公園、冬の風物詩 - MSN産経west
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