圧巻の風鈴2,500個『風鈴まつり』@おふさ観音(橿原市)
橿原市小房町の『おふさ観音』で、夏の2ヶ月間開催される「風鈴まつり」を見てきました。目にも耳にも涼やかな風鈴ですが、「2,500個」も集まると音の厚みもすごいんです!境内は無料で散策できますので、夏の涼を求めに行ってみてください。
春と秋は「バラまつり」、夏は「風鈴まつり」
橿原市小房町にある、バラと風鈴のお寺『おふさ観音』。17世紀に土地の娘「おふさ」さんが白い亀の背中に乗った観音様を観たことから、この地にお堂を建てて観音様を祀ったことから始まったお寺です(詳しくはこちら)。
また、おふさ観音では春と秋の「バラまつり(春は5月15日~6月30日、秋は10月19日~11月30日まで)」、夏の「風鈴まつり(7月1日~8月31日)」で知られています。
山門をくぐると、境内を埋め尽くすようにバラの鉢が並んでいて、季節になると美しいバラが咲き誇ります。その数は、2,300種類・約2,500株というのですから、大迫力です!
橿原市小房町の『おふさ観音』の山門。夏は「風鈴まつり」、春と秋は「バラまつり」で有名なお寺さんです。「大和七福八宝の会」「大和十三仏霊場会」などの札所にもなっています
おふさ観音の駐車場案内図。お寺に隣接して駐車スペースが設けてありますが、前の道はかなり細めのため、混雑する時期は特にお気をつけください。169号線から入ってすぐの「第2駐車場」からでも徒歩3分くらいですから、こちらを利用するのもいいでしょう
境内を埋め尽くすバラと風鈴。音も迫力です
そして、おふさ観音の夏の「風鈴まつり」は、この日初めて拝見しましたが、こちらも迫力がありました!
風鈴まつりは2003年から始まったイベントで、毎年7月・8月の2ヶ月間行われます。境内いっぱいに日本全国から集められた「2,500個」もの風鈴が吊るされ、展示会や即売会なども行われます。
風鈴まつりの由来
その昔、おふさ観音の地元では、夏に厄払いのお参りをするという風習がありました。
冷蔵庫やエアコンのなかった当時は、夏になると食あたりを起こしたり、暑さで体力が落ちて病気になったりすることが多かったようです。おふさ観音は、もともと身体の健康を授けるお寺ですから、無事に夏を乗り切れるようにと厄払いをされたのでした。その流れから今日も、毎年、夏になると多くの方がご祈祷やお参りに来られます。
そこで、せっかくだから皆様に夏を心地良く感じていただける方法はないかと考え、夏の風物詩である風鈴に思い至りました。風鈴の起源は「風鐸」といって、古代中国で、寺の軒先に吊り下げた小さい鐘のようなものです。風に揺られて鳴る音で、魔除けになるとされました。これが日本に仏教伝来と共に伝わり、平安貴族たちが自分の家に吊ったのが風鈴の始まりだそうです。
このような言われからも、風鈴はお寺の行事にふさわしいものだと考え、境内いっぱいに風鈴を吊り下げたのが「風鈴まつり」の始まりです。
風鈴の澄んだ音が聞こえて涼やか…かと思いきや、この日はやや風が強めだったため、二千を超す風鈴が一斉に揺れ、まさに腹に響くような厚みのある音が聞こえてきます!やはり数が多いと迫力がありますね。涼しげかどうかはともかく、かなり衝撃的でした(笑)
山門をくぐると、境内いっぱいにバラの鉢が配置されていて、イングリッシュガーデンのようです。さらに、夏はその上に風鈴が吊るされて、不思議な感じですね。チョークボードには、「浴衣でお越しの方には、本堂前受付で“華おみくじ”をプレゼント致します」という告知もありました
青空と風鈴。形も色もさまざまで、短冊部分に願い事がかいてあったりするものもありました
本堂前の様子。天井から吊るされている風鈴の数に圧倒されます!販売コーナーもあり、気に入った風鈴を購入することもできます(※境内は無料で自由に散策できますが、本堂内の拝観は300円必要です)
真夏ですが、花開いているバラも見られました。夏は水やりが大変だろうな…と心配になってくるほど、圧倒的な緑の密度ですね
境内の風鈴にはこんな説明書きがあるものも。こちらは「奈良風鈴」。奈良のガラス工房で生産されたものだそうです
「オリンポスの鐘」ウッドストック社のウィンドチャイムです。音が柔らかで涼やかでした
小さくで見づらいですが、ここは全ておもちゃのアヒル(いわゆるラバーダック)の形をした風鈴が吊るされていました。これ可愛らしくていいですね!
日本庭園に茶房、アート作品展も
境内の奥に進むと、おふさ観音発祥の物語にちなむ「鯉の池」を囲むようにした、回遊式の日本庭園「円空庭」があります。その背後の庫裏では、お土産物の売店があったりしますし、「茶房おふさ」としてお茶などがいただけるようになっていますので、お庭を眺めてのんびりするのもいいですね。
また、面白いのは、ここで現代アートの作品展なども開催されていることでしょう。お寺さんとアートというと、ちょっと意外な組み合わせのようですが、この日は切り絵の作品が展示されていて、とても素敵な雰囲気でした。
また別の一室では、「全国各地の風鈴展」の展示・即売が行われていました。風が吹き抜ける和風建築の広間で、作品を拝見したり、お茶を飲みながらお庭を見たりするのはとてものんびりできますのでオススメです!
おふさ観音の境内奥にある回遊式庭園「円空庭」。向こう側に見える建物が、作品展示スペースや茶房として使用されています。入場料などは不要ですから、気軽に立ち寄れます
建物をあがってすぐにお土産物などの販売スペースがあります。アート作品の展示なども行われています
「茶房おふさ」では、こんな広々とした和室でお茶などをいただけます。風が吹き抜けて気持ちいいんです!
全国の色んなタイプの風鈴が展示・販売されています。最近のテレビアニメのキャラクター物などもありました
■おふさ観音(観音寺)
HP: http://www.ofusa.jp/
住所: 奈良県橿原市小房町6-22
電話: 0744-22-2212
宗派: 高野山真言宗
本尊: 十一面観世音菩薩
創建: 17世紀
拝観料: 境内無料(本堂拝観は300円)
拝観時間: 8:00 - 17:00
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: 近鉄「大和八木駅」より徒歩25分(バスで8分)
※「大和七福八宝の会」「大和十三仏霊場会」「大和ぼけ封じ霊場会」などの札所にもなっています
※私たちがお参りしたのは、「2012年8月4日」でした。
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