2012-03-23

故犬養孝先生を顕彰する『犬養万葉記念館』@明日香村

故犬養孝先生を顕彰する『犬養万葉記念館』@明日香村

明日香村の岡寺の門前にある『犬養万葉記念館』へ行ってきました。「万葉風土学」を提唱した万葉集研究の第一人者「故犬養孝先生」を顕彰する施設で、万葉集に興味がある方であればとても楽しめる内容になっています。


「万葉風土学」とは?「犬養節」とは?

明日香村の岡寺門前にある『犬養万葉記念館』。旧南都銀行明日香支店の建物を利用し、2000年にオープンしています。正式には『南都明日香ふれあいセンター犬養万葉記念館』という長い名前です。

故犬養孝先生は、「万葉風土学」を提唱した万葉集研究の第一人者で、万葉歌を節をつけて歌うように詠むスタイルが「犬養節」として知られました。飛鳥の保存運動にも尽力なさった方で、明日香村名誉村民でもあります。



万葉集に登場する万葉故地をすべておとずれ、万葉集研究に生涯をささげ「万葉風土学」を確立した。また、テレビ・ラジオ番組や公演などで多数の一般の人に万葉集をひろめた。万葉集を朗唱する「犬養節」は独自の歌い方で、おおくの万葉ファンにしたしまれた。

万葉の景観をまもるため、万葉故地が乱開発される現状を抗議し、国会議員や松下幸之助などの財界人に万葉故地の重要性をうったえた。その一環として、日本全国の万葉故地に所縁の万葉歌を揮毫した「万葉歌碑」を建立、故地をまもる活動に奔走した。万葉ハイキングや月見の会をおこない、明日香古都保存に尽力し、明日香村名誉村民となる。

1979年(昭和54年)に昭和天皇が明日香に行幸し、甘樫丘にて明日香の歴史的風土を視察したときの案内役をつとめる。1951年(昭和26年)にはじまった大阪大学万葉旅行は45年間で延べ4万人をこえた。2000年には奈良県明日香村に犬養を顕彰し関係資料を展示する「犬養万葉記念館」が完成した。


犬養万葉記念館は、犬養先生紀揮毫の万葉歌墨書や直筆原稿などが常時展示されています。入ってすぐのホール部分では、DVDで発売されている映像も上映されており、独特の「犬養節」を聴くことができます。また、企画展示「柿本人麻呂の歌と人丸信仰」が行われており、全国の人麻呂の関連の土地を巡ったとても面白いものでした。ただし、館内は全て「撮影禁止」ですので、その面白さは今ひとつ伝わらないかもしれませんが…。


犬養万葉記念館@明日香村-01

明日香村岡にある『犬養万葉記念館』。旧南砺銀行明日香支店の建物を利用して、2000年にオープンしています。万葉集研究の第一人者で、「万葉風土学」を提唱した、明日香村名誉村民の故犬養孝先生を顕彰する施設です

犬養万葉記念館@明日香村-02
犬養万葉記念館の入口部分。重厚な外観の建物ですが、内部は明るい今風にリノベーションしてあり、喫茶コーナーもあります。内部が撮影禁止なのが残念なところです。本年度は「柿本人麻呂の歌と人丸信仰」という企画展示が行われており、全国の歌の故地や人丸神社を訪ねて収集した、人麻呂像・拓本などが紹介されていました。ディープで面白かったです!

犬養万葉記念館@明日香村-05
中庭部分。晴れた日はとても気持ちよさそうですが、この日は生憎のお天気でした

犬養万葉記念館@明日香村-03
犬養万葉記念館の前にある「書状集箱」。1871年(明治4年)の郵便創業当時に使用されていたものと同型のもので、現在も郵便ポストとして集配されているそうです。飛鳥旅行の記念にここから郵便を出してみたりするのもいいですね

犬養万葉記念館@明日香村-04
犬養孝先生が揮毫した記念碑。これは開館記念に建物の前に立てられたもので、「萬葉は、青春のいのち」とあります。中庭には「あすか風」の碑も立っています。明日香村内には、末尾に「孝書」と描かれた先生の歌碑が多数遺されていますので、それを探してみると楽しいですね


購入した図録からご紹介しておきます

犬養万葉記念館の図録(@500円)を購入してありますので、そこから館内の内容が連想できる部分を簡単にご紹介しておきます。

決して派手な展示内容ではありませんが、万葉集と飛鳥の土地がお好きな方であれば十分に楽しめると思います。飛鳥散策の途中の休憩がてら、館内で犬養節の映像を見ているだけでもいいですね。


犬養万葉記念館@明日香村-06

犬養万葉記念館の図録(@500円)を購入してきましたので、その内容を簡単にご紹介しておきます

犬養万葉記念館@明日香村-07
施設内部の様子。入ってすぐのホールの部分では企画展示と映像が上映されています。その他、小さめの部屋が3室ほど。約7,000冊という万葉集関連の図書資料があったり、書斎風の場所に先生の遺品を飾った部屋などもありました

犬養万葉記念館@明日香村-08
犬養先生の万葉歌の揮毫書。万葉歌碑の拓本とともに館内に多数展示されています。とても凛々しい書体ですね。万葉歌碑になっていますので、明日香村の中でもよく目にします

犬養万葉記念館@明日香村-09
「万葉の旅」の取材ノート。ラフなイラストと、短いキーワードを書き連ねたメモになっています。これらのノートをもとに発行されたのが『別冊太陽 犬養孝と万葉を歩く』です。館内にはもちろん実物が展示してあって、とても興味深かったです

犬養万葉記念館@明日香村-10
犬養孝先生が揮毫した万葉歌碑の一覧。館内にも資料がありました。この目録が作成された2007年当時で、明日香村内に15基、日本全国では134基の犬養先生揮毫の万葉歌碑が遺されています



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■犬養万葉記念館

HP: http://www.asukamura.jp/shisetsu/inukai.html
住所: 奈良県高市郡明日香村岡1150
電話: 0744-54-9300
休館日: 月曜日(祝日の場合は翌日休。4・5・10・11月は無休)
開館時間: 10:00 - 17:00
入館料: 一般 300円、学生 200円
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: 近鉄橿原線「橿原神宮前駅」から「赤かめ」(明日香周遊)バスで25分、岡寺前下車すぐ


■参考にさせていただきました!

村内施設情報|明日香村公式ホームページ|
犬養万葉記念館・Top
南都明日香ふれあいセンター 犬養万葉記念館(奈良県高市郡明日香村)の情報 - MAPPLE 観光ガイド






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