2011-01-23

無病息災を祈る『光仁会(癌封じ笹酒祭り)』@大安寺

無病息災を祈る『光仁会(癌封じ笹酒祭り)』@大安寺

毎年1月23日に、奈良市郊外の『大安寺』で行われている法要「光仁会」へ行ってきました。別名「癌封じ笹酒祭り」と呼ばれるもので、参拝客には笹酒が振る舞われ、無病息災を祈願するという楽しいお祭です。ものすごい賑わいぶりで、本当に楽しかったです!


長寿の「光仁天皇」ゆかりのお祭りです

南都七大寺の一つである大安寺。現在は全盛時ほどの寺勢はありませんが、素朴で凛々しい天平仏が祀られている、奈良を代表する古刹です。

●以前の記事
9体の天平仏と会える南都七大寺『大安寺』@奈良市


その大安寺で、毎年1月23日に行われるのが『光仁会(癌封じ笹酒祭り)』です。長寿だった光仁天皇ゆかりのお祭りで、以下のような由来があるのだそうです。



 桓武天皇が文武百官を伴い、先帝光仁天皇の一周忌の齋会を大安寺で営まれたという『続日本紀』の故事により、毎年一月二十三日に光仁会が行われます。

 この法会は風雅な青竹づくしの祭儀で光仁天皇ゆかりの、「笹酒」の接待が行われます。「がん封じの笹酒」として、広く知られています。

 光仁天皇は不遇な白壁王時代に、しばしば大安寺の竹林にて浄竹を伐り、酒を注いでお召しになり、中国の故事にいう「林間酒をあたためる」風流を催されて無病息災を保たれました。実に六十二歳という当時破格の高齢で帝位につかれ、七十三歳まで在位されたのです。この帝にあやかって悪病難病を封じ、健康に過ごそうと催されるのが笹酒祭りです。

 この日はがん封じの御祈祷と、笹酒の薬効が相俟って、御利益あらたかであり、遠近からの参詣者で境内はあふれます。古都奈良の新春の風物詩となる行事です。

 竹は漢方薬にも竹瀝・竹茹・竹黄などにみられるように多様に使われ、現代薬学からみてもビタミンC・K・Eをはじめ、クロロフィルやカルシウムを含有しており、健康によいとされています。


この「光仁天皇」という方は、天智天皇の息子で、桓武天皇の父に当たります。歴代天皇の中では、とても華やかな存在とは言えませんが、8世紀という時代にここまで長命だったというだけでも驚きですね。あやかりたくなるのも当然なのかもしれません。

百済大寺・高市大寺と、名前と所在地を変えながらも、平城遷都後も南都七大寺の一つに数えられる大寺院でした。「続日本記」には、光仁天皇の一周忌の法要のために、桓武天皇は文武百官をともなって平安京から南都にやってきたと記されていることから、大安寺で毎年1月23日に「光仁会」という法要が催されるようになったとか。

この日、私たちは14時くらいに到着したのですが、今年の1月23日は日曜日に当たったため、とにかく大変な混雑ぶりでした。駐車スペースも広めに確保してありましたが、ピーク時には入りきらなかったと思います。やはり電車などを使った方が安全でしょう。


大安寺光仁会(笹酒祭り)-01

奈良市の『大安寺』では、毎年1月23日に「光仁会(癌封じ笹酒祭り)」が行われます。お寺の周辺は、警備員や警察官の方が総出で交通整理にあたるなど大混雑でした。前の通り沿いに広めに駐車スペースが確保してありますが、笹酒の振る舞いもあることですし、やはり公共交通機関でお参りした方が無難でしょう

大安寺光仁会(笹酒祭り)-02
大安寺「笹酒祭り」の看板。無病息災を祈願する法要ですが、特に「がん封じ」の霊験が新たかなのだとか。いつの時代から癌封じになったんでしょうね


笹酒の前にご祈祷していただきましょう

大安寺の境内に入ると、まずは正面のテントで拝観受付を済ませます。ここで500円を収めると、竹で作った杯が手渡されますので、後ほど笹酒をいただけます。

健康を願って、真っ先に縁起物の笹酒をいただきたいところですが、まずは順路に従って、本堂でご祈祷を受けましょう。私たちが行った時もかなり長い行列が出来ていましたが、本堂で大人数でまとめて受けるため、意外と時間はかかりません。素面のうちにしっかりと仏さまにお願いしておきましょう。

また、隣に建つ「護摩堂」では護摩行が行われていますし、本堂裏手に建ち、秘仏のご本尊・馬頭観音さまがいらっしゃる「いななき堂」では、特別ご祈祷をお願いできます(三千円から)。


大安寺光仁会(笹酒祭り)-03

大安寺の境内の様子。14時過ぎに到着しましたが、それでも大変な混雑ぶりでした。まずは、正面に見える「拝観ささ酒受付」と書いてあるテントで受付を済ませましょう

大安寺光仁会(笹酒祭り)-04
受付を済ませると、こんな竹を切った器がいただけますので、これで笹酒をいただきます。大安寺は、通常拝観料400円、特別公開日は500円が必要ですが、この日は拝観料と笹酒込みで500円でした。お酒を飲めない方にはお水の振る舞いもありますので、無病息災を祈願してください。境内に入るだけなら無料です

大安寺光仁会(笹酒祭り)-05
大安寺境内にあった「光仁会ささ酒まつり案内図」。本堂では誰もががん封じの祈祷お加持を受けられます。別途申し込むと、秘仏・馬頭観音像がいらっしゃる「いななき堂」での祈祷も受けられます

大安寺光仁会(笹酒祭り)-06
本堂前の様子。ご祈祷を待つ人たちで行列ができていました。広い本堂でまとまって行いますので、ご祈祷自体は数分で終わります。行列の長さにたじろぎそうになりますが、意外とスムーズに流れますのでご安心ください

大安寺光仁会(笹酒祭り)-08
本堂脇から見たご祈祷の様子。読経が聞こえる中、粛々と進められていきます

大安寺光仁会(笹酒祭り)-09
いななき堂での特別なご祈祷を受けるには「三千円」から。このご祈祷をお願いすると、ご祈祷の後でちょっと特別な「竹盃(リボンのようなものが付いている)」と「おさがりささ酒(お土産のお酒)」がいただけるようでした

大安寺光仁会(笹酒祭り)-10
本堂の隣に建つ「護摩堂」では、護摩行が行われていました。タオルやハンカチを差し出すと、そこに護摩の煙をあててもらえます。ご利益を持ち帰り常に身に付けておける、そんな意味があるのでしょう

大安寺光仁会(笹酒祭り)-11
いななき堂の前には、ご祈祷を待つ方々の姿が。障子戸が開くと、奥にいらっしゃる馬頭観音さんのお姿がチラリと拝めたりします


華やかな着物姿の女性から「ささ酒」を

お参りが済んだら、着物姿の女性が並ぶ「ささ酒授与」のコーナーへ進みます。だいたい10名くらいの女性が、それぞれ1.2mの竹筒を持ってズラリと並んでいますので、その前に立ってお酒をついでもらいます。竹ごと後ろの焚き火で温められているため、適度なぬる燗。ほのかに竹の香りもあって、本当に美味しいんですよね。

一応聞いてみたのですが、このお酒は何杯いただいてもいいとのことで、上機嫌のお父さんたちがたくさんいらっしゃいました(私もその一人です!)。ささ酒授与所の奥には、奈良の名物などが販売されている露天もあって、楽しくて仕方ないですが、くれぐれも飲み過ぎには注意しましょう(笑)

また、お酒が飲めない方はお水をついでもらえますので、お子さんや下戸の方、運転手さんなども、がん封じ・無病息災・長寿などを祈りながらいただいてください。


大安寺光仁会(笹酒祭り)-13

着物姿の女性たちが、竹の筒を手に笹酒を振舞ってくれます。ズラリと10名くらいいらっしゃったでしょうか?なかなか壮観でした

大安寺光仁会(笹酒祭り)-14
こんな風に小さな竹製の杯にぬる燗のお酒が注がれます。微調整が難しいようで、こぼれてしまうことも多いのでお気をつけください

大安寺光仁会(笹酒祭り)-15
竹は後ろで火にくべて温められています。ほのかに竹の香りがして、とっても美味しいお酒でした

大安寺光仁会(笹酒祭り)-16

大安寺光仁会(笹酒祭り)-17

大安寺光仁会(笹酒祭り)-18
笹酒祭りの日には、境内にもこんな屋台街が登場してます。柿の葉寿司や和菓子、お酒などが販売されていますし、軽食も食べられます。お祭り気分で盛り上がれますね

大安寺光仁会(笹酒祭り)-19
販売されていた「大安寺やきもち」。日本の饅頭の始祖「林浄因(漢国神社に祀られています)」が大安寺に饅頭を奉納したことから、その味を再興させたものなのだとか。奈良町の『御菓子司なかにし』さんが作っています。一ついただきましたが、素朴でとっても美味しいおまんじゅうでした

大安寺光仁会(笹酒祭り)-20
吉野産のこんにゃくと煮玉子もいただきました。信心とかがん封じとかはさておき、明るい時間からめでたい酒を飲んで、こんな美味しいものを食べて、本当に楽しかったですね!毎年来たいと思ったくらいです(笑)

大安寺光仁会(笹酒祭り)-21
「楽天市場ランキング1位獲得」とデカデカと書いてあるテントは、『葛湯専門店 吉野庵 くずゆの里』さんのもの。葛湯の試飲サービスがあって私たちもいただきましたが、本当に美味しいんですよね。葛湯ってこんなに美味しいのかと驚きました!

大安寺光仁会(笹酒祭り)-22
普段はひっそりしている「宝物殿」も解放されていました。ほろ酔いでお会いする天平仏・・・というのも初体験でした(笑)

大安寺光仁会(笹酒祭り)-23
大安寺のスタッフの方が着ていた法被。背中にはこんなモダンなロゴが入っていました。「Daianji」と英語表記されているのがいいですね



大きな地図で見る


■大安寺

HP: http://www.daianji.or.jp/
住所: 奈良県奈良市大安寺2丁目18-1
電話: 0742-61-6312
宗派: 高野山真言宗
本尊: 十一面観音
創建: 639年(622年の発願)
開基: 聖徳太子
拝観料: 境内無料。本堂・収蔵庫 400円(秘仏特別公開日は100円増し)
拝観時間: 9:00-17:00
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: JR奈良駅・近鉄奈良駅より、奈良交通バス「大安寺行」などから大安寺バス停下車、徒歩約10分

※大和十三仏霊場 第13番
※「南都七大寺」の一つ
※特別開扉日は、本尊・十一面観音像「10月1日-11月30日」。秘仏・馬頭観音像が「3月1日-3月31日」です










  • Twitterでフォローする
  • Facebookページを見る
  • Instagramを見る
  • ブログ記事の一覧を見る







メニューを表示
ページトップへ