夏休みに最適!大人も小人も楽しめる『橿原市昆虫館』
2010年6月にリニューアルを終えた『橿原市昆虫館』へ行ってきました。昆虫館というマニアックな施設ですが、お子さんの夏休みの自由研究に役立つネタの宝庫ですし、大人でも十分に楽しめる内容でした!
リニューアルを終えてより楽しく!
『橿原市昆虫館』は、橿原市街からやや離れた、香久山公園内にあります。私たちがお邪魔するのは数年ぶりでしたが、2009年12月からリニューアル工事を開始、2010年6月に再オープンしているため、再訪できる日を楽しみにしていました。
橿原市昆虫館は、外壁に巨大なカブトムシが張り付いていたり、ロビーにも昆虫オブジェが飾られていたりと、この手のものがお好きな方であれば、入った途端にワクワクできるでしょう。また、いかにも博物館のポスターらしい「橿原市昆虫館オリジナルポスター(1枚500円)」の販売が始まっていたのも嬉しいところです!
橿原市の香久山公園内にある『橿原市昆虫館』。2009年12月から工事に入り、2010年6月にリニューアルオープンしました。この日は夏休み中ということもあり、お子さん連れの方がいっぱい!小人さんは入館料100円のため、毎日のように通っている近所の子もいるようです
受付上部の壁面には、大きな虫たちのフィギュアが。建物の外側には巨大なカブトムシもいました。ここ以外にも、昆虫の口の巨大模型が壁に張り付いていたりと、ワクワクさせる仕掛けがいっぱいです
受付では、昆虫柄のステッカーや缶バッチ、ハンカチなどが販売されていますが、歴代の「橿原市昆虫館オリジナルポスター」の販売も!図鑑の表紙のようなデザインや、アーティスティックなものなど、いいポスターがそろってます
アンモナイトの化石なども増えました
入場料金を支払って館内に入ると、以前は見られなかった「生き物タイムトンネル」というアーチが登場していました。こちらでは、昆虫の進化の歴史をたどる展示があり、三葉虫やアンモナイトの化石など、古代の生き物の説明があります。
昆虫好きなお子さんはこの手のものにも間違いなく興味を示すと思いますので、より魅力的な導入部分になっていますね。
以前は無かった「生き物タイムトンネル」が出来ていました。これをくぐると、標本展示室1へ。昆虫の祖先となる古代の生物の化石などが展示されていて、昆虫大爆発の説明があります
天井からは、こんな悪そうな顔をしたハチの模型が吊るされたりします。壁面や天井にも色んな工夫があって、気分が盛り上がりますね
昆虫標本は1,000点以上あります
そのまま「標本展示室2」へ進むと、中央には小さなお子さんが喜びそうな大きめの体験型のギミックがあり、その脇にはずらりと昆虫標本が並びます。
私は昆虫にはそれほど詳しくはありませんが、各地域ごとに並べられた、膨大な数の甲虫や蝶類は、見ているだけでも楽しいですね。標本の数のわりには生態展示が少ないようにも思われますが、生きた昆虫を展示しても、結局はペットショップのようなすし詰めにしないと動く姿も確認できなくなると思いますので、これは仕方ないことでしょう。
また、その向かい側には昆虫の生態を解説したパネル展示もありますが、ただ単に文章と写真を見せるだけではなく、パネルが立体的になっていたり、匂いが嗅げたり、ブラックライトを当てられたり・・・と、よりお子さんの興味を惹ける内容になっていました。
奈良の「レッドデータ昆虫」のコーナーなどもあり、ここで一日頑張れば、夏休みの自由研究くらいは片付きそうなほどのネタの宝庫ですね。
橿原市昆虫館の標本展示室2。体験フロアーになっていて、まわりを多数の標本が取り囲んでいるだけではなく、小さなお子さんが喜ぶようなギミックも増えました
ハンドルを回すとカマキリの前足が動きます。この他にも、昆虫の複眼が体験できるものなどもありました
標本展示室の天井部分。壁に描かれたシルエットから、手足の一部だけが立体化しています。ゲンゴロウの足がフサフサでリアル!
標本コーナーでは、地域ごとに甲虫や蝶類がズラリと展示されています
蝶類は、標本を見ているだけでも楽しいですね。ここに来るたびに自宅にも欲しくなります(笑)
気に入った蝶の写真を撮ったりするだけで、大人も十分に楽しめます
標本と向かい合った位置には、パネルなどが展示してあります。昔の博物館のように説明書きだけの退屈なものではなく、様々な趣向が凝らしてあるのが今風ですね
昆虫の機能などを説明する展示。これはスライド式になっていて、蝶の体の断面図が見られるという、なかなかマニアックな展示です
こちらは、匂いによって身を守る昆虫の説明です。小窓をあけると、「アオゴミムシ」(メタクレゾール系の香り)と、「カメムシ」(ヘキセナールなどの香り)の匂いが嗅げるという、ちょっと思い切った企画!それほど強い匂いではありませんので、ぜひチャレンジしてみてください(笑)
展示内容によっては、スライド式のルーペを使って昆虫たちをアップで見るコーナーもありました。私も元昆虫好き少年でしたから、ルーペがスライドするというギミックだけでも楽しくって仕方ありません!
奈良県のレッドデータ昆虫コーナーなどもあります。地球温暖化のデータや、特定外来生物の説明などもありますので、これを簡単にまとめるだけで夏休みの自由研究が完成しそうですね
カメラ操作できる「生態展示室」が楽しい!
その奥の「生態展示室」では、ミツバチの巣箱の内部が小型カメラで見られたり、まるでクレーンゲームのように自分でカメラを操作して、カブトムシやクワガタの間近に迫る「ミクロ探検隊」という設備があったりと、本当に楽しめます!
このコーナーは、橿原市昆虫館リニューアル前からありましたので、やや老朽化している気もしますが、一番楽しいところだけに、長持ちしてくれることを祈ってます(笑)
また、「大和盆地の自然と昆虫」コーナーには、「てのりぽっぷ」という仕組みが登場していました。これは、ある位置で手をかざすと、光の昆虫がその上を動きまわりというもの。言葉では分かりづらいと思いますが、なかなか不思議な感覚です。お子さんたちが夢中になって遊んでいましたので、きっとかなり楽しいんでしょうね。
生態展示室の「光庭」コーナー。ガラスの向こうにミツバチの巣箱が設置してあり、巣穴の中の様子が見られます
ミツバチの巣箱は肉眼だけではなく、3つのカメラが設置してあり、モニター越しにこんな様子も見られます!巣箱の内部のアングルでは、動きまわるミツバチをアップで捉えられますので、なかなか楽しいんですよね
「大和盆地の自然と昆虫」コーナー。奈良の里地里山の生き物を解説したジオラマです。覗き穴などもあって、その中には里山の生物が隠れています
ジオラマの一角には「てのりぽっぷ」という仕組みが。手をかざすと光の昆虫が手の上を動きまわります!パンフレットによると「昆虫館 日本初」とのこと。お子さんは喜ぶでしょうし、大人でも楽しいです!
生態展示室の一角には、自分でカメラを操作して、カブトムシやクワガタの間近に迫るという、かなり楽しいシステムもあります!その隣には、ハナカマキリやナナフシの生態展示も(画像の掲載は控えておきます)
カブトムシなどがいる展示ケースの中央に、操作可能な小型カメラがあります。これをクレーンゲームの要領で前後左右に動かし、最高のアングルで昆虫を見ることができます
コントローラーとモニター。木の上で蜜をなめるミヤマクワガタのアップを捉えました!「ミクロ探検隊」というタイトルもかっこいいですね!
ミクロ探検隊には、水生昆虫バージョンも用意されています!ゲンゴロウにタガメ、ミズスマシなどがいる水槽の中を、カメラを動かして上手くアップで捉えられたら、ものすごい大迫力です!動きが早いので難易度は高めですが、時間を忘れるほど楽しいですよ(笑)
のんびりと蝶が舞う「放蝶温室」
橿原市昆虫館の最大の見どころは、約500平方メートルの大きさの「放蝶温室」でしょう。
施設内は、沖縄の環境を再現していて、常に500~800匹もの蝶が飛び交っています。屋外ではなかなか蝶の撮影は難しいものですが、これだけの密度であれば、比較的カメラにも収めやすく、写真を撮るだけでも十分に楽しめました。また、亜熱帯の植物も飼育されていますので、お花が好きな方も楽しいでしょう。
ただし、温室内は気温・湿度ともに高めなのでご注意ください。また、蚊が多いため、事前に虫除けスプレーをしておくといいかもしれません。
橿原市昆虫館の「放蝶温室」の様子。琉球列島の気候に調整されていて、100種類を超える亜熱帯の植物の間を、チョウが飛び交います。入り口には温室に飛ぶ蝶の個体数が表示されていて、7月22日現在で、計14種類・684個体がいるのだとか!個体数が完全に把握されているのがすごいですね
放蝶温室の入り口には、蝶の名前が書いたシートが貸し出されています。これを片手に、全ての蝶を探してみると面白いかもしれません
日本最大級の蝶「オオゴマダラ」。白地に黒の模様が美しい大型のチョウです。羽の部分に番号が振ってあり、ちゃんと個体管理されているのが驚きです!
(おそらく)モンキアゲハ。真っ黒いボディーが貫禄を感じさせます
(おそらく)ツマムラサキマダラと思われる蝶。動きの速いものや、近づいても逃げないものなど、種類によって違います。温室内の蝶は手で触れることは禁止されていますので、お子さん連れの方などは特にご注意ください
夏休みの自由研究用にオススメです
これらの常設展示のほか、特別展が開催されていたり、図書コーナーもあります。また、2010年4月に完成した新館には「生態特別展示コーナー」が設けられていました(2種類のハチとホタル水槽がありました)。定期的に様々なイベントなども行われていますので、ぜひホームページをチェックしてからお出かけください。
この日は、特別展「水と陸のはざまの世界」という企画も行われていました。内容はやや地味めでしたが、このスペースでは、その時期によって展示内容が様々に入れ替わります
図書コーナーも充実しています。図鑑類も豊富ですし、夏休みの自由研究用にもどうぞ。定期的に各種のイベントも開催されていますので、ホームページをチェックしてからお出かけください
■橿原市昆虫館
HP: http://www.city.kashihara.nara.jp/insect/index.html
住所: 奈良県橿原市南山町624
電話: 0744-24-7246
定休日: 月曜日(祝日の場合翌日。夏休み期間中の月曜日は開館)
営業時間: 9:30 - 17:00(10~3月は16:30まで)
入館料: 500円(学生400円、小人100円)
駐車場: 無料
アクセス: 近鉄「大和八木駅」から、橿原コミュニティバス「昆虫館」行きで30分、終点すぐ