奈良に早春を告げる『若草山焼き』見物@飛火野
奈良の新春の風物詩となっている『若草山焼き』。私たちはまだ見に行ったことが無かったため、今年こそと思い出かけてみました。花火も山焼きもとても見事なものでしたが、ちょっと遠い飛火野から見ていたため、迫力はイマイチで・・・。作戦ミスでした!
山焼きは幽霊の迷信から始まりました
奈良公園の東に位置する若草山は、標高342m。山が三つ折り重なっているため「三笠山」、または「九折山(つづらやま)」とも呼ばれます。山頂には、仁徳天皇の皇后である磐之姫命の墓とされるいわれる「鶯塚古墳」があります。
ちなみに、阿倍仲麻呂の有名な和歌「あまのはら ふりさけみれば春日なる 三笠の山に出でし月かも」に詠まれた「三笠の山」とは、この若草山ではなく、お隣の「春日山(御蓋山)」のこと。
この若草山で、毎年1月の第4土曜日に行われるのが「若草山焼き」です。
その起源は、江戸時代に、山上の鶯塚から幽霊が出没するため、1月までに山を焼かなければ災が起こる・・・という迷信から始まったのだそうです。「東大寺と興福寺による領地争いから始まった」という説もありますが、これは俗説なのだとか。
さらに、この行事の正式名称は「若草山山焼き」ではなく「若草山焼き」。いろいろとややこしいですね。
若草山の周辺は大混雑でした!
とりあえず、私たちは若草山焼きを見るのは初めてでしたので、人出の多さに驚きました!駐車場はどこもほぼ満車でしたし、周辺は交通規制をしていました。春日大社の初詣の時ほどではないにしろ、参道は人の波がずっと続いているのですから、大した集客力ですね。
若草山焼きは「どこから見るか」がとても重要だと聞いていましたので、詳しいサイトさんの情報を調べてみたのですが、何となく他のブロガーの方が少なそうな、TVドラマ「鹿男あをによし」で有名な飛火野へ行くことにしてみました。
しかし、ここも決して空いているワケではなく、最前列には三脚と巨大レンズのカメラ愛好家さんたちの行列ができていて、その後ろにはたくさんの観光客の方が密集するような状態です。私たちも三脚組の端っこに混ぜてもらって花火が打ち上がる18時を待ちました。
特製を含め、例年の3倍の花火が上がりました
今年の若草山焼きは、平城遷都1300年祭の記念ということで、例年は200発程度のところを、3倍の「600発」を打ち上げたのだそうです。しかも、1300の文字を表した特殊な花火や、特別製造の花火などが上がり、とても見事なものでした!
とりあえず、花火の写真だけズラズラと掲載しておきます。
山焼き撮影には、飛火野は遠すぎる!
花火の打ち上げが終わると、いよいよ若草山焼きのスタートです。
若草山の下から火の手が上がり、大量の煙にその灯りが反射されて、一瞬何が起こっているのかよく分からないほど。山肌の草を焼いていくだけですので、特に派手な展開があったりはしません。前日に雨が降ったりすると、ほとんど火の手が上がらずに終了してしまうこともあるそうですが、後から聞いたところによると、「今年の山焼きはよく燃えた」とのことでした。
ただし・・・、飛火野から若草山までは距離がありすぎて、私たちのコンパクトデジタルカメラくらいでは、それほどきれいに写らないんですよね。やはり、カメラの性能が劣る場合には、若草山へ行って近くから撮影しないと見栄えがしないようです。
残念ながら、写真的には迫力のあるものは撮れませんでしたが、もっと良く見てみたい場合は、アサヒ・コム動画の「YouTube - 奈良で若草山の山焼き」をご覧ください。少しだけですが、山上の様子なども見られます。
花火と山焼きは同時進行ではありません
よく観光のパンフレットなどには、花火が打ち上がっているのと同時に山焼きが行われているような写真が使われていますが、実際には同時ではありません。あれはカメラの多重露光を行っているだけですので、あそこまで派手にはなりませんので、ご注意ください。
初めての若草山焼きでしたが、今年はそれほど寒さも厳しくなく、ゆったりと楽しめました。でも、間近でその迫力を感じようと思ったら、やっぱり若草山の麓で見るのが一番なんでしょうね。覚えておきます!
若草山焼き終了後のもちいどの商店街付近。奈良の冬の夜とは思えないほどの人出で賑わっていました!
■参考にさせていただきました!