2009-09-27

一面のホテイアオイが見事!『本薬師寺』@橿原市

本薬師寺跡@ホテイアオイ

橿原市にある国の特別史跡「本薬師寺(もとやくしじあと)」には、珍しい「ホテイアオイ」の名所として知られています。9月に満開の時期を迎えるということで、初めて行ってみたのですが、とにかく思った以上に広い範囲にホテイアオイの花が咲き乱れていて圧倒されました!


休耕田で大量のホテイアオイが開花!

「本薬師寺跡では見事なホテイアオイが見られる」という情報は知っていたのですが、実際に見に行くのは始めてでした。

行ってみて驚いたのですが、想像よりもはるかに面積が広くて、この辺りの田んぼの10枚分くらいのスペースがあったのではないでしょうか(正式な面積は1.4ha。14,000株が植えられたそうです)。そんなところに青いホテイアオイが花を咲かせている光景は、なかなかの迫力でした!

ここは正式には「ホテイアオイ定植農園」というようで、本薬師寺跡の周辺の休耕田を利用したもの。近隣の小学生なども手伝って植えているようです。何故ホテイアオイを選んだのかは分かりませんが(もとからあったものなのか?)、他ではなかなか見られない見事な眺めであることは間違いありません!


本薬師寺跡@ホテイアオイ-01

橿原市の「史跡本薬師寺跡」に隣接してある「ホテイアオイ定植農園」。ご近所のうねび北小学校の生徒さんが植えたものなんだそうです。見事だという話は聞いていましたが、想像以上の大きさで驚きました!

本薬師寺跡@ホテイアオイ-02
本薬師寺跡ですから、ホテイアオイの池の中心には、こんな礎石がある島が残されていました。ホテイアオイはほぼ満開で見事なものでしたが、もう少し早い時期であれば、彼岸花も見事だったと思います

本薬師寺跡@ホテイアオイ-04
中央の島部分からもう一枚。画像では見えませんが、奥にもう田んぼ一枚分の池があります(逆方向のもまだ広がっています)。巨木の周囲も歩けますが、大きなハチの住みかがありましたので、ご注意ください!

本薬師寺跡@ホテイアオイ-03
本薬師寺跡の駐車場の眺め。史跡としてはかなり地味なものですが、駐車場は15台分ほどのスペースがあり、かなりゆったりとしています。この日もかなり大勢の方がホテイアオイを見に来ていました

本薬師寺跡@ホテイアオイ-05
ホテイアオイの咲き具合は、ほぼ満開に近かったです。池の上にたくさんの泡が浮いているようにも見えて、なかなか不思議な光景でした

本薬師寺跡@ホテイアオイ-06
大和三山の一つ畝傍山とホテイアオイの花。この広さをどう表現していいのか分かりませんが、この近辺の普通の田んぼの10枚分くらいあったのではないでしょうか?想像以上のスケールでした!


彼岸花のピークとも重なります

私はホテイアオイの花を見るのは初めてでしたが、特徴のある華やかな花なんですね。葉っぱはそれほど大きくないのに、意外なほどの大ぶりな花が付いていて驚きました。

この日は、残念ながら彼岸花のピークには少し遅すぎたため、もう花が白くなって枯れかけでした。もう少しだけ早く来ていれば、彼岸花とホテイアオイの両方がピークの状態で見られたと思いますので、来年は忘れないようにしたいと思います。


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「本薬師寺跡」は薬師寺があった場所です

この「本薬師寺跡」という場所は、もちろん「もともとは薬師寺がここにあった」という意味合いになります。

710年の平城京遷都の際に、薬師寺も平城京近くの西ノ京へと移っていきましたが、680年に薬師寺が創建された際の所在地はここでした。その当時から、現在の薬師寺と同様に、回廊に囲まれた二塔が並ぶ「薬師寺式」と呼ばれる伽藍形式を採用した大寺院でした。今でも、薬師寺は本薬師寺の建物を移転して作られたものか、平城京で新しく作られたものかの論争が続いているそうです。

また、薬師寺が平城京移転した後も、本薬師寺は10世紀ごろまでは別のお寺として存続しており、その後に廃寺となりました。

現在は、小さなお堂が一つと、過去の威容を示すかのように、いくつかの巨大な礎石が残されたのみとなっていますが、歴史のお好きな方は過去の風景を思い浮かべながらこの一帯を歩いてみるのも面白いかもしれませんね。


本薬師寺跡@ホテイアオイ-14

ホテイアオイの池に囲まれるように、ひっそりと「特別史跡 本薬師寺跡」があります。今から1300年前、薬師寺が平城京の西ノ京に移る前にはここにありました。その当時の礎石がたくさん遺されています

本薬師寺跡@ホテイアオイ-16
本薬師寺跡の境内部分。小さなお堂が一つと、1300年前から使用されていたものか、いくつかの礎石が残されていました

本薬師寺跡@ホテイアオイ-15
現在、唯一残されているお堂。お寺として機能しているのかは不明です

本薬師寺跡@ホテイアオイ-17
本薬師寺跡にあった石造物は「庚申さん」でした。向かって左は「聞かざる」になっていますが、右手は小猿を抱えたお母さん猿のようです。庚申さんってそんなイメージでしたっけ?

本薬師寺跡@ホテイアオイ-18
私は全く知らなかったのですが、本薬師寺保存会の皆さんによって「本薬師寺まつり」というものが開催されているそうです。2009年の10月12日(月祝)ですので、興味のある方はどうぞ!


世界三大害草とかブルーデビルとか・・・

余談ですが、ホテイアオイという水草は「世界三大害草(または10大害草)」に挙げられるほどの、有害な帰化植物とされています(世界三大害草の他の二つはセイタカアワダチソウとブタクサ)。

ちなみに、青い花が咲くことから、ついた異名が「ブルーデビル(!)」というのですから、嫌われ方も本物ですね(笑)

このホテイアオイは、とにかく繁殖力が旺盛で、これが流入した池などは、水面を覆いつくすほど増えるのです。これを利用して、富栄養化し過ぎた湖沼の水質浄化を行う試みなどもされたほど。ただし、秋を過ぎると枯れてしまい、これが水中で腐ってかえって水質は悪化する・・・というような悪循環もあるのだとか。

また、葉っぱなどの繊維が強くて、枯れたホテイアオイのために配水管が詰まったりする被害もあると、以前にテレビで見たことがあります。

私も何年も熱帯魚を飼育していますので、一度ホテイアオイを購入したことはありましたが、とにかくものすごい勢いで増えるんですよね。害草と聞いて、厳重にくるんで廃棄しましたが、そんな情報を知ってしまうと、どうしても素直にその花の美しさを観賞する気分になれなかったりもします。

いずれにしても、もう世の中のホテイアオイを完全に駆除することは難しいと思いますので、この本薬師寺跡のように、ある程度は人間の手で管理していかなくてはいけないのでしょう。橿原市の農業振興課も関わっているようですし、その手のことはもちろんしっかりと管理されていると思います。

人間とホテイアオイとの新しい付き合い方になればいいですね!



大きな地図で見る


■国特別史跡「本薬師寺跡」

HP: 参考サイト(橿原市ホテイアオイ開花状況)
住所: 奈良県橿原市城殿町
電話: 0744-22-4001(橿原市商工観光課)
営業時間: 見学自由
駐車場: 無料(十数台分あり)
アクセス: 近鉄橿原線畝傍御陵前駅から徒歩10分

※本薬師寺跡のホテイアオイの見頃は「8月中旬~10月初旬」です


■参考にさせていただきました!

本薬師寺跡のホテイアオイ (奈良の宿泊予約 料理旅館大正楼)






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