2009-09-24

信貴山の「露天風呂客室」のお宿『柿本家』@三郷町

『柿本家』@三郷町

お宿の取材のため、信貴山にある『柿本家』さんへお邪魔してきました。

車の通りも多くない細い道沿いにあり、とにかく静か。しかも「露天風呂付客室」もあり、ゆったりと落ち着いた時間が過ごせそうな素敵なお宿で、私個人的にも「ここに泊まってみたい!」と強く思うほどでした!

(※取材日 : 2009年8月28日)


「朝護孫子寺」の参道にあります

生駒郡三郷町、信貴山の山中にあるお宿『柿本家』さん。関西の夜景スポットとして有名な「信貴・生駒スカイライン」の入口の1kmほど手前の、236号線から1本入ったところにある、とても静かなお宿です。

建物自体は小高い山腹にあり、目の前には一面の鬱蒼とした森が広がっています。秋には紅葉で色づき、春には桜が咲く姿も見られるのだそうです。

宿の前の通りは、大きな「張子の虎」で有名な「朝護孫子寺」の参道にあたります(山門まで徒歩5分)。しかし、車の通りも少なく、とにかく静か。私も何度か信貴山に来ていますが、こんなところに旅館があることを初めて知りました。


柿本家@三郷町-01

信貴山にある『柿本家』さん。現在の建物は、大阪万博の年(1970年)に改築したもので、外観はそれほど目立つものではありません。しかし、改装されて豪華になった客室は見事なんです!

柿本家@三郷町-03
お宿の前はこんな細い道が。この先を5分くらい歩けば「朝護孫子寺」の山門に着きます。車の通りも少なく、とにかく静かな環境です

柿本家@三郷町-02
柿本家さんの入口部分。雰囲気がありますね

柿本家@三郷町-04
入口を入ってすぐのところには、こんなスペースが。柿本家さんは、お茶屋さんとして創業してから100年を超えており、その当時のものと思われる大きな古い看板が、歴史を感じさせてくれます

柿本家@三郷町-05
柿本家さんのロビー部分。ここはやや古めで、リニューアルされた最新の客室とのギャップを感じられるお客様もいらっしゃるのだとか

柿本家@三郷町-06
売店で販売されていた、奈良をモチーフにした図柄のあんどん。知人の方が作っているものとのことで、色んな柄があっていいですね!


早い時期に「露天風呂付きのお部屋」を導入

今回、取材の対応をしてくださったのは、とてもお若い女将さんの垣本さん。旅行会社に勤めていた2003年に、柿本家の跡取りとなるご主人とご結婚なさって、現在は3人のお子さんがいらっしゃいます。

結婚を機に旅館の切り盛りを任されるようになりましたが、大阪万博(1971年)の年に建てられた施設だったため、かなり老朽化が進んでいました。2005年頃から少しずつ施設のリニューアルを続け、客室部分はすっかり見違えるようになったのだそうです。

柿本家さんの最大の特徴は、奈良県下では初めてだった最も早い時期から「露天風呂付き」の客室があること(※注1)。これはご主人と若女将が理想とする「静かに非日常を味わえるお宿」のイメージに近づけるためで、今では7室にまで増えているのだそうです。

これによって、それほどアクセスが良い場所ではないにも関わらず、市街地の宿では味わえない静けさを好むお客様の間で評判となり、関西全域や関東からの宿泊客も増えてきているのだとか。

(※注1)コメント欄から「吉野のさこやさんの方が早かったのではないか?」というご指摘をいただいたため修正いたしました。失礼いたしました。


柿本家@三郷町-26

柿本家のまだお若い女将さん、垣本さん。大阪出身の方で、面白いお話を伺うことができました。ありがとうございました!


露天風呂から絶景が眺められます

『柿本家』さんの客室数は、全部で「13室」と、決して大きな施設ではありません。そのうちの6室が「露天風呂付客室」に、さらに1室のみ「寝湯露天風呂付和のツイン」となっています。

露天風呂付客室の一つを拝見したのですが、本当に雰囲気のあるいいお部屋でした!

とにかく静かで、目の前が開けているのは気持ちがいいんですよね!季節によっては、ここから紅葉や桜が見えたりするそうですし、時間帯によっては朝霧が立ち込めたり、一面の夕焼けが見えたりすることもあるというのですから、色んな楽しみ方ができるでしょう。

浴衣・蚊遣り・うちわ・照明など、お部屋の調度品や備品なども、しっかりと吟味された素敵なものばかりでしたので、ぜひじっくりとご覧ください。


柿本家@三郷町-07

「露天風呂付客室(大人一名:17,850円~)」のお部屋。リニューアルしたばかりで、とにかくきれいです。窓の外には露天風呂があり、ゆったりとした展望が望めるのもいいですね

柿本家@三郷町-08
部屋付きの露天風呂の様子。シャワーなどはありませんので、その際は大浴場を利用します。ゆったり湯船に浸かったり、椅子に座って涼んだり、贅沢な時間が味わえることでしょう

柿本家@三郷町-09
目の前は静かな森が広がっています。こんな露天風呂なら、宿泊中に何度でも繰り返し入りたくなりますね

柿本家@三郷町-10
以前は「柿本家」という文字の入ったソレっぽい浴衣でしたが、シックな柄のものに新調されました。足袋も用意してあるなど、細やかな気遣いが嬉しいですね

柿本家@三郷町-11
お部屋のドレッサー。少し狭く見えますが、露天風呂から出たところにもドレッサーがありますのでご心配なく


さらに豪華な「寝湯露天風呂付客室」!

そして、柿本家さんに1室のみある「寝湯露天風呂付」の和のツインルームは、さらに雰囲気がありました。

この部屋の露天風呂は、体を横たえて入れる「寝湯」になっていて、目の前に広がる絶景を眺めながら入浴できるのです。露天風呂からの絶景を楽しむのもいいですし、雑誌などを持ち込んで、いつもよりもゆったりと長湯を楽しむのもいいですね。

街中のような騒音も全く聞こえてきませんし、大きなツインベッドで寛いだり、飽きたら露天風呂に入ったり、お昼寝したり・・・と、贅沢な時間が過ごせることでしょう!


柿本家@三郷町-12

柿本家さんの限定1室のみの「寝湯露天風呂付客室(大人一名:23,100円~)」。和のツインルームになっていて、部屋からの眺めもバツグン。こんな部屋で過ごしていると、時間がゆったりと流れていくことでしょう

柿本家@三郷町-13
室内からの露天風呂の眺め。そこから見晴らしのいい景色が広がっています

柿本家@三郷町-14
露天風呂部分。頭を乗せる部分があり、寝湯としてゆったりと浸かれます。南国風のベンチも雰囲気がありますね

柿本家@三郷町-15
寝湯からの眺め。民家なども見当たらず、安心して絶景が楽しめます。紅葉シーズンなどはもちろん、朝や夕方にも色んな眺めが楽しめそうですね


「大浴場」からもいい眺めです!

この日は、ちょうど全てのお客様がチェックアウトされた後だったため、「大浴場」も拝見させていただきました。

それほど大きな浴場ではありませんが、大きな窓からの視界が開けていて、気分がいいですね。残念ながら温泉ではありませんが、これだけの絶景が味わえるのであれば、十分に楽しめると思います。


柿本家@三郷町-17

もちろん「大浴場」もあります。部屋付きの露天風呂にはシャワーは付いていないため、こちらを利用する機会も多いでしょう

柿本家@三郷町-18
大浴場の様子。温泉ではないのが残念ですが、ここまでの展望が楽しめるお風呂もなかなかありません。窓から吹き抜ける風が快適でした

柿本家@三郷町-19
大浴場前にあるウェイティングスペース。南国風の調度品で統一されていて、とてもいい雰囲気でした


お料理の美味しさも評判です

柿本家さんでは、一部の「お部屋食プラン」以外は、お食事処「くにのまほろば」でお食事をいただくことになります。こちらもまだリニューアル間もないため、和テイストのモダンな設備で、高級料亭のような雰囲気になっていました。

お食事席は天井が繋がった半個室になっていて、周りのお客さんの存在が気になることもありません。ここでもゆったりと出来そうです。

お客様のクチコミなどを見てみると、とにかく「お料理が美味しかった!」との声が多く寄せられていました。今回は、撮影用として二品だけ拝見させていただきましたが、いずれもとても色鮮やかで美しく、本当に美味しそう!さすがはお料理自慢のお宿ですね。


柿本家@三郷町-20

柿本家さんのお食事処「くにのまほろば」の入口部分。ここもリニューアルされて間もないため、とにかくキレイ。まるでどこかの料亭のようですね

柿本家@三郷町-22
お食事スペースは、天井部分が繋がった半個室になっています。他の宿泊客の目を気にせずにお料理をいただけます

柿本家@三郷町-23
お食事スペースの一席。窓の外には朝護孫子寺の本堂が見えました

柿本家@三郷町-25
取材の撮影用にご用意いただいた「前菜」の一品。お料理の評判が高いお宿ですので、とにかく美味しそうです。器や盛り付けも見事ですね

柿本家@三郷町-24
こちらは「朴葉焼き」です。こんなお料理が何品も登場して、女性のお客様からは「ちょっと多いくらいかも?」というご意見までいただくのだとか。贅沢な気分が味わえますね!


私自身「泊まってみたい」と思いました

柿本家さんは、旅館の周りに何か施設があって便利・・・という、利便性に優れたタイプのお宿ではありません。しかし、静かなお部屋で露天風呂に入ってゆったり過ごすには最適のロケーションだと言えるでしょう。

若女将のお話では、信貴山にあるお宿ながら、意外と「朝護孫子寺」への参拝客というのは少なく、ほとんどが奈良市内の観光を目的とされているのだそうです。

奈良県民としてはやや違和感がありますが、奈良公園まで車で40分ほどで着く距離ですので、車で奈良市内を観光する方が静かなお宿に泊まりたいと思えば、十分に選択肢の一つになり得るのかもしれません。

ご主人も若女将もともにまだお若いこともあり、「今までの奈良には無いタイプの宿にしよう」という意志のようなものも感じられましたし、伝統ある老舗旅館とはまた違った魅力があることは間違いありません。

私自身、取材させていただいた中で、何度も「ここに泊まってみたい!」と思ったほどですから、奈良県在住の方にも、旅行でいらっしゃる方にもお勧めしたいお宿ですね!



大きな地図で見る


■柿本家

HP: http://www.kakimotoya.com/
住所: 奈良県生駒郡三郷町信貴山東5-8
電話: 0745-72-8000 (9:00~21:00)
宿泊料金: 一般客室:12,600円、露天風呂付客室:17,850円、寝湯露天風呂付客室:23,100円など(プランによって異なります)
駐車場: 無料(40台分)
アクセス: JR「王寺駅」下車、タクシーで10分


『柿本家』宿泊予約ページ
【じゃらん】で予約情報を見る






  • Twitterでフォローする
  • Facebookページを見る
  • Instagramを見る
  • ブログ記事の一覧を見る







メニューを表示
ページトップへ