2009-05-31

日本三文殊の『智恩寺』と「天橋立」@宮津市

天橋山 智恩寺(天橋立)@宮津市-

丹後・舞鶴観光には来たものの、実は私はあまり天橋立には興味がありませんでした。

しかし、天橋立の付け根部分にある、「日本三文殊」の一つに挙げられる文殊菩薩像がいらっしゃる『智恩寺』には行ってみたかったため、決して安くない駐車場代金を支払い(@600円)、立ち寄ってきました。


「扇子おみくじ」がいい雰囲気です!

「智恩寺」は、808年に平城天皇の勅願寺として創建されたお寺です。奈良県民の私としては、奈良県桜井市にある「安倍文殊院」と並ぶ【日本三文殊】のお寺の一つと聞いたため、ぜひお会いしたいと思っていました(もう一箇所は山形県高畠町「亀岡文殊」です)。

観光客の方が記念写真を撮りまくっている、立派な「山門」をくぐって境内に入ってみると、木の枝に扇子型のおみくじがくくりつけてあるのが目立ちます。何かと思ったら、智恩寺で300円で販売している「すえひろ扇子おみくじ」なんだとか。

雨が降って濡れてしまったらどんな姿になるのかは分かりませんが、どことなく風情があっていいアイディアですね。何となくですが、知恵の神さまである文殊様を祀ったお寺のイメージにも合っているような気がしますし、見た目もきれいです。


天橋山 智恩寺(天橋立)@宮津市-01

宮津市の天橋立の入口に建つ『智恩寺』。「日本三文殊」の一つに数えられる文殊さん(重文。拝見できませんでした)がいらっしゃるそうです。さすがに有名観光地だけあって、参拝客でいっぱいでした!

天橋山 智恩寺(天橋立)@宮津市-02
智恩寺の「山門」。1767年のもので、2層立ての堂々とした楼門です。上層には、釈迦如来や十六羅漢像がいらっしゃるとか。本格的な唐様(禅宗様)の山門としては、丹後地方最大となるそうです

天橋山 智恩寺(天橋立)@宮津市-03
智恩院の「力石(ちからいし)」。大中小それぞれ130kg・100kg・70kgで、お祭りの余興などで力自慢の青年たちが石を持ち上げたのだとか。スペイン・バスク地方の石かつぎ競技みたいですね

天橋山 智恩寺(天橋立)@宮津市-04
智恩寺の「石造地蔵菩薩立像」。3体いらっしゃって、全て室町時代のもの。錫杖は無くなっていますが、「保存状態も良く、作風的にも優れている」との説明がありますが、魅力が分かりにくい・・・

天橋山 智恩寺(天橋立)@宮津市-05
智恩寺の「多宝塔(重文)」。丹後国守護代・延永春信によって1501年に建立されました。下層部が一手先、上層部が四手先の斗きょうに支えられています。それほど大きくはありませんが、とても美しい塔です

天橋山 智恩寺(天橋立)@宮津市-06
境内の木に結ばれているのが、扇子型の「すえひろ扇子おみくじ」。他ではあまり見られないものですが、雰囲気があっていいですよね!

天橋山 智恩寺(天橋立)@宮津市-07
境内の一角。こんな風景にも違和感無く馴染むのですから、扇子おみくじはすごい!

仏さまは一体も拝むことができず・・・

ただし、智恩寺さんでは、残念ながら一体の仏様も拝むことができませんでした・・・。

以前、「みうらじゅん・いとうせいこうのTV見仏記 6」で智恩寺の回を見たのですが、色んな仏様がいらっしゃったんですよね。

ご本尊の「文殊菩薩像(重文)」は秘仏のため、年5日ほどしかご開帳されないそうですし、山門や多宝塔も内部は見ることができません。まぁ、拝観料も取っていないお寺ですから仕方ないことなんですが、ちょっと淋しいですね・・・。


天橋山 智恩寺(天橋立)@宮津市-08

扇子おみくじと、本堂の「文殊堂」。1655年頃に修復されたもので、写真には写ってませんが、屋根は宝形造になっています

天橋山 智恩寺(天橋立)@宮津市-09
智恩寺の文殊堂前。景勝地・天橋立の入口に建つ古刹ですから、長い年月をかけて、お線香にたっぷりと燻されています。迫力がありますね

天橋山 智恩寺(天橋立)@宮津市-10
文殊堂の内陣には、日本三文殊の一つである「文殊菩薩(重文)」がいらっしゃるはずなんですが、通常は拝観できません(年に5日のみご開帳があるそうです)。その姿は、同寺のホームページからご覧ください

天橋山 智恩寺(天橋立)@宮津市-11
智恩寺の「すえひろ扇子おみくじ」で、初穂料300円也。知恵の仏さまのお寺らしいですし、見た目もいいですよね。大吉が出たら携帯ストラップにしておきたいくらいです(笑)

天橋山 智恩寺(天橋立)@宮津市-12
智恩寺の「鐘楼門(暁雲閣)」。下層の両側に亀腹が付いて、やや前に張り出しているため、「竜宮門形式」と呼ばれるのだとか。確かに、竜宮城の門ってこんな形のイメージですね(笑)

天橋山 智恩寺(天橋立)@宮津市-13
文殊堂の裏手に回ると、こんな落ち着いた光景が。天橋立に近いため参拝客も多いお寺ですが、この一角は静かなものでした

天橋山 智恩寺(天橋立)@宮津市-14
工芸品として重要文化財に指定されている「鉄湯船」。すぐ近くの成相寺にも、同じ山川貞清作のものが残されているのが珍しいですね。本来は湯船だったそうですが、現在は手水鉢として使用されています

天橋山 智恩寺-ご朱印
智恩寺でいただいたご朱印です。「文殊大士」の堂々とした書!やんちゃなほどの力強さを感じますね


見仏記に登場した「股のぞき人形」は?

智恩寺の前には、同じく「みうらじゅん・いとうせいこうのTV見仏記 6」で、みうらじゅん氏が「股のぞき人形(5千円強!)」を購入していたお店『しょうぎん』さんがあったため、こちらも立ち寄ってみました。

股のぞき人形のコーナーに行ってみると、木彫りの人形全体が、何故か「非売品」に!個人的には、全く欲しいとも思いませんが、何があったんでしょうね?


智恩寺前(天橋立)「しょうぎん」@宮津市-01

智恩寺のすぐ前にあるお土産物屋『しょうぎん』さん。「見仏記」の中で、みうらじゅん氏が股のぞき人形を購入していたお店です!

智恩寺前(天橋立)「しょうぎん」@宮津市-02
「しょうぎん」さんの外観。2階はお食事処になっている、かなり立派なビルでした

智恩寺前(天橋立)「しょうぎん」@宮津市-03
みうらじゅん氏が購入したのと同種の「股のぞき人形」たち。各種そろっていましたが、何故か「非売品」になってました!理由が気になりますね(買う気はありませんが・・・)

智恩寺前(天橋立)「しょうぎん」@宮津市-04
股のぞきグッズはいくつかありましたが、お土産としては「またのぞきストラップ(@370円)」くらいがお手頃かも。後から見たら意味が分からないと思いますが(笑)


一応「天橋立」にも立ち入ってみました

せっかく天橋立の入口まで来たのですから、一応、橋を渡って天橋立にも入ってみました。実際にその土地に立ってみると、あの独特の地形は全く把握できませんから、もうただの松並木がある海岸線を歩いているのと変わりありません(笑)

片道1時間も歩けば、天橋立を端から端まで制覇できるそうですので、お時間がある方はぜひチャレンジしてみてください!


天橋立@宮津市-01

智恩寺のすぐ近くからは、湾内を周遊できるボートが発着しています。湾内の遊覧が1,000円と、比較的お手頃。傘松公園へ移動できたり、伊根の舟屋まで周遊できたりと、意外と便利な観光手段なのかもしれません

天橋立@宮津市-02
天橋立へ渡る橋は、珍しい「廻旋橋」。橋げたを中心にクルリと90度回転して船を通します。日曜日に行くと、11時から1時間おきに5回、この廻旋が見られるのだとか

天橋立@宮津市-03
天橋立の全体マップ。智恩寺は地図の下側で、逆側が籠神社。端から端まで、徒歩で片道1時間くらいかかるそうです。レンタルサイクルなどもありますので、縦断したい方はそれを利用するのもいいかもしれません

天橋立@宮津市-04
天橋立の入口部分。私たちはほんの数分しか歩きませんでしたが、こんな光景がずーっと対岸まで続くというのですから、まさに奇景ですね。時間があればずっと歩いてみたいものです

天橋立@宮津市-05
天橋立海水浴場。日本三景の中に海水浴場があるなんて、全く知りませんでした。ゴミもほとんど見当たらず、とてもきれいな海岸でした



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■天橋山 智恩寺(てんきょうざん ちおんじ)

HP: http://www.monjudo-chionji.jp/index.htm
住所: 京都府宮津市天橋立文珠小字切戸
電話: 0772-22-2553
宗派: 臨済宗妙心寺派
本尊: 文殊菩薩(重要文化財)
創建: 808年(伝)
開基: 平城天皇(伝)
拝観料: 境内無料
拝観時間: 境内自由
駐車場: 近隣の有料駐車場を利用(週末で600円程度から)
アクセス: 北近畿タンゴ鉄道「天橋立駅」から徒歩5分

※奈良県桜井市「安倍文殊院」、山形県高畠町「亀岡文殊」とともに、【日本三文殊】の一つに挙げられます






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